実装・技術解説 2026.05.20 17 min read

Bingbotとは?—629件の実測ログで見えた巡回パターンとMicrosoft AI検索の関係

BingbotとはMicrosoftのウェブクローラー—実測ログ629件で見えた巡回パターンとCopilotとの関係を解説
OBS-LOG / 2026.05.20
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User-Agentに「bingbot/2.0」と記録されたログ、通称Bingbotと呼ばれるAIクローラーを指します。

AI観測ラボのサーバーログを集計すると、観測期間8日間で629件のBingbotアクセスが記録されていました。1日あたり平均78件ペースで、土日を問わず毎日巡回してました。

Bingbotは、Microsoftの検索エンジン「Bing」が運用するウェブクローラーです。収集されたデータはBing検索だけでなく、MicrosoftのAIアシスタント「Copilot」関連の基盤にも活用されていると考えられています。「Googleだけ対応すればいい」と思っていたサイト運営者にとって、Bingbotの存在感は年々大きくなっています。

記事では、Bingbotの役割・User-Agent・IPレンジの確認方法から、実測ログで見えた巡回パターン、robots.txtでの制御方法まで順番に解説します。

この記事でわかること|📖:約5分

  • BingbotがBing検索やCopilot関連基盤を支えている理由
  • User-Agentの文字列とIPアドレスで本物かを確認する方法
  • AI観測ラボの実測ログで見えた8日間629件の巡回パターン
  • Bingbotがタグページやサイト構造を頻繁に巡回していた理由
  • robots.txtとBing Webmaster Toolsで巡回を制御する方法

BingbotはMicrosoftが動かすウェブクローラーです

Bingbot(ビングボット)は、Microsoftが運営する検索エンジン「Bing」のウェブクローラーです。インターネット上のウェブサイトを自動的に巡回し、ページの内容・リンク構造・更新情報を収集して、Bingのデータベース(インデックス)に登録します。

役割はGoogleのGooglebotとほぼ同じです。クローラーが来ないページは検索エンジンに存在を認識されにくくなります。Bingbotがサイトを巡回しなければ、Bing検索への反映やMicrosoft系AIサービスでの参照機会にも影響する可能性があります。

2026年現在、Bingbotが収集したデータの用途は検索結果だけにとどまりません。Microsoft CopilotなどのAIサービスでは、Bingのインデックス情報を活用して回答生成が行われていると考えられています。

Bingbotがウェブサイトを巡回してBingインデックスに登録し、Bing検索とCopilotに使われる流れ
Bingbotが収集したデータはBing検索とCopilotの両方に使われている

実際にAI観測ラボのサーバーログを確認すると、Bingbotは毎日のように巡回を続けており、単なる検索クローラーというより「MicrosoftのAI検索基盤」を支える存在に近づいていることが見えてきました。

User-Agentと公式IPで本物かを確かめる方法

サーバーログに「bingbot」という文字列が現れても、それが本物のBingbotとは限りません。User-Agent文字列は誰でも自由に偽装できるため、悪意のあるボットがBingbotを名乗って巡回するケースがあります。本物かどうかは2段階で確認できます。

Step1:User-Agent文字列を確認する

本物のBingbotは以下のUser-Agent文字列を使います。

Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; bingbot/2.0; +http://www.bing.com/bingbot.htm) Chrome/116.0.1938.76 Safari/537.36

AI観測ラボのログでも、上記と一致するUser-Agentを確認しています。Chromeのバージョン番号部分(116.0.1938.76)は時期によって変わりますが、「bingbot/2.0」という文字列が含まれている点は共通です。

Step2:IPアドレスをMicrosoft公式ツールで照合する

User-Agentの確認だけでは不十分です。MicrosoftはBingbot専用の確認ツールを公式に提供しています。サーバーログからIPアドレスを取り出し、以下の手順で確認できます。

  1. Bing Webmaster Toolsの「Bingbot確認ツール」にアクセスする
  2. ログに記録されたIPアドレスを入力する
  3. CAPTCHAを解いて送信する
  4. 「このIPはBingbotです」と表示されれば本物

AI観測ラボで確認した範囲では、主に 40.77.x.x / 52.167.x.x / 52.231.x.x 帯のIPからのアクセスがBingbot公式と一致しました。

BingbotをUser-AgentとIPアドレスの2段階で確認する手順
User-Agent文字列の確認とIP逆引きを組み合わせるのが確実な判定方法

補足として1点、MicrosoftはIPレンジを随時変更するため、IPだけでの判定は推奨されません。User-Agent文字列だけで判断せず、Microsoft公式ツールでIPを照合することが重要です。

実測ログ:8日間629件の巡回データ

AI観測ラボのサーバーログ(2026年5月11日〜5月18日)を集計したところ、Bingbotのアクセスは合計629件でした。画像・CSS・JSなどの静的ファイルを除いた、コンテンツへの実質的なアクセス件数です。

日付別の巡回件数

以下は観測期間中の日付別アクセス件数です。

日付 件数
5月11日(日) 101件
5月12日(月) 95件
5月13日(火) 78件
5月14日(水) 92件
5月15日(木) 103件
5月16日(金) 65件
5月17日(土) 67件
5月18日(日)※集計途中 28件
合計 629件

土日を含む8日間、1日も欠かさず巡回が続いていました。1日あたりの平均は約79件です。平日のほうがやや巡回数が多い傾向は見られましたが、週末に止まる様子はありませんでした。

どのページをよく見ているか

アクセスが多かったURLの上位は以下の通りです。

URL 件数
/tag/yandex/ 33件
/bingbot-copilot-crawler/ 26件
/sitemap_index.xml 24件
/tag/recaptcha/ 19件
/perplexity-citation/ 11件
/tag/alice/ 10件
/tag/aiエージェント/ 10件
/robots.txt 10件
/indexnow-bingbot-effect/ 9件
/gptbot-oai-searchbot-robots-txt-guide/ 9件

記事本文への単発アクセスより、タグページ・サイトマップ・robots.txtへの繰り返しアクセスが目立ちます。特にサイトマップ(sitemap_index.xml)を24件取得している点からは、Bingbotがサイト全体の構造を定期的に確認している様子が見えてきます。

さらに、Bingbotは単純に記事本文を収集しているだけではなく、タグ構造やサイト全体の分類情報も重点的に確認しているように見えました。実際、アクセス上位には複数のタグページが並んでいます。

2026年5月11日から18日のBingbot日別アクセス件数グラフ
観測期間8日間のBingbot日別アクセス件数。平日にやや多いが土日も継続して巡回している

タグページへの集中については、次のセクションで詳しく解説します。

Bingbotは記事本文より「サイト構造」を見ている?

今回のログで最も興味深かったのは、タグページへのアクセス集中です。記事本文への1回限りのアクセスより、タグページへの繰り返し取得が際立っていました。

タグページへの集中アクセス

アクセス上位に並んだタグページは以下の通りです。

タグページ 件数
/tag/yandex/ 33件
/tag/recaptcha/ 19件
/tag/alice/ 10件
/tag/aiエージェント/ 10件
/tag/bingbot/ 8件
/tag/sns/ 7件
/tag/mcp/ 7件
/tag/webmcp/ 6件

タグページは複数の記事をひとつのテーマでまとめたページです。「yandex」タグなら、Yandexに関連する記事の一覧が並んでいます。Bingbotはタグページを取得することで、サイトがどのテーマをどれだけ扱っているかを一度に把握できます。

「概念マップ」読みの仮説

通常の検索クローラーであれば、記事URLを順番に取得していくのが基本的な動きです。しかし今回のBingbotは、記事本文より先にタグページ・サイトマップ・robots.txtを繰り返し取得していました。

観測期間中に見えたBingbotの優先順位は、以下のように整理できます。

  1. robots.txt・sitemap_index.xml(サイト全体のルール・構造)
  2. タグページ(テーマ別の記事一覧)
  3. 記事本文(個別コンテンツ)

タグページを優先取得するということは、「どんなテーマの記事が何本あるか」という概念レベルの情報を先に読み取っている可能性があります。

AI検索では、単一記事の情報量だけでなく、「サイト全体がどのテーマを継続的に扱っているか」という一貫性も重要になると言われています。今回のBingbotのタグ優先巡回は、その文脈と重なる動きにも見えました。

ただし、観測期間は8日間です。タグページのキャッシュ更新タイミングが重なった可能性や、内部リンク構造の影響も考えられます。

「Bingbotが概念構造を優先的に読んでいる」と断定できる段階ではありませんが、少なくとも今回の観測では、記事本文より先にタグ・サイト構造へアクセスする傾向が見えていました。

Bingbotがサイトマップ・タグページ・記事本文の順に優先して巡回している構造図
観測期間中のBingbotは、記事本文より先にサイトマップとタグページを繰り返し取得していた

Bingbotの巡回とCopilotへの引用の関係については、BingbotはCopilotのために毎日来ていた—7日間353件の実測データで見えた挙動で詳しく解説しています。

Bingbot・Copilot・AI検索の関係

Bingbotを「ただの検索クローラー」として扱うには、2026年現在の状況は大きく変わっています。Bingbotが収集したデータは、少なくともBing検索やMicrosoft系AIサービスの基盤として使われています。

BingbotのデータはCopilotにも活用されている

Microsoft CopilotはWeb情報を参照する際、Bingの検索インデックスを活用していると考えられています。つまりBingbotがサイトをクロールしてインデックスに登録することで、Copilot側でもその情報を参照できる状態に近づきます。

「Bingbotが来る → Bingインデックスに登録される → Copilot関連基盤で参照される」という流れは、現在のMicrosoft系AI検索を理解する上で重要なポイントです。

実測ログで確認したCopilot関連の動き

今回の観測期間中、Bingbotは AI観測ラボのBingbot・Copilot解説記事(/bingbot-copilot-crawler/)を26件取得していました。Bingbot自身の解説記事をBingbotが繰り返し取得している、という少し不思議な状況です。

また、IndexNow検証記事(/indexnow-bingbot-effect/)も9件取得しています。IndexNowはURL更新をBingに即時通知するプロトコルです。Bingbotがこの記事を繰り返し取得している点からは、IndexNow通知済みURLの再クロール頻度が高まっている可能性も見えてきました。

BingbotとGPTBotの役割の違い

OpenAIのGPTBotは、主に学習データ収集を目的としたクローラーです。一方Bingbotは、検索インデックスの更新やMicrosoft系AIサービス向けの情報収集を担っています。同じ「AI関連クローラー」でも、役割には違いがあります

クローラー 運営 主な用途
Bingbot Microsoft Bing検索インデックス・Copilot関連基盤
GPTBot OpenAI ChatGPTの学習データ収集
OAI-SearchBot OpenAI ChatGPT検索のリアルタイム参照

Bingbotを許可しておくことは、Bing検索への表示だけでなく、Microsoft系AIサービスで参照される可能性にも影響します。逆にrobots.txtでBingbotをブロックした場合、Bing検索での可視性に影響する可能性があります。

GPTBotとOAI-SearchBotの違いについては、ChatGPT検索に出たいなら、止めるBotを間違えないで詳しく解説しています。

robots.txtとBing Webmaster Toolsの設定

Bingbotはrobots.txtの指示を守るクローラーです。設定を正しく書けば、巡回を許可・制限・調整できます。

基本的なrobots.txt設定パターン

目的別に3つのパターンを紹介します。

パターン1:Bingbotをすべて許可する(推奨)

User-agent: bingbot
Allow: /

Bing検索とCopilot関連基盤への露出を維持したい場合の基本設定です。何も書かなくてもデフォルトで許可されますが、明示的に書いておくと意図が明確になります。

パターン2:特定ディレクトリだけ制限する

User-agent: bingbot
Disallow: /wp-admin/
Disallow: /private/
Allow: /

管理画面や非公開ディレクトリへのアクセスだけを止めたい場合です。コンテンツページへの巡回は維持しつつ、不要なクロールを減らせます。

パターン3:Bingbotを完全にブロックする

User-agent: bingbot
Disallow: /

Bing検索への表示が不要で、Microsoft系AIサービスからの参照可能性も下げたい場合の設定です。ブロックするとBingのインデックスから除外されるため、影響範囲を十分に確認してから設定してください。

Bing Webmaster Toolsでできること

robots.txtでの制御に加えて、Bing Webmaster Toolsを使うとBingbotの動きをより細かく把握・調整できます。主な機能は以下の通りです。

機能 内容
URL送信 新規・更新ページをBingbotに即時通知できる
サイトマップ送信 sitemap.xmlを登録してクロール精度を上げる
クロール設定 Bingbotの巡回頻度を一定範囲で調整できる
インデックス状況確認 どのページがBingにインデックスされているか確認できる
Bingbot確認ツール IPアドレスが本物のBingbotかどうか検証できる

今回の実測でBingbotがsitemap_index.xmlを24件取得していたことからも、Bingbotがサイト全体の構造を継続的に確認している様子が見えてきました。サイトマップ登録は、Bingbotの巡回効率に直結する重要な設定のひとつです。

Bing Webmaster Toolsへの登録とサイトマップ送信は、早めに済ませておくことをおすすめします。

IndexNowとの組み合わせ

BingはIndexNowプロトコルに対応しています。記事を公開・更新したタイミングでBingに即時通知できるため、Bingbotが次の巡回タイミングまで待つ必要がなくなります。

AI観測ラボの実測では、IndexNow通知後に最短3分でBingbotが来たケースを確認しています。更新頻度が高いサイトでは、IndexNowの設置がBingインデックスの鮮度維持に効果的です。

Bingbot向けrobots.txt設定の3パターン比較図
目的別robots.txt設定パターン。Copilotへの露出も考慮して設定する

IndexNowの設置方法と効果については、IndexNowとは?Bingbotは何分で来る?実測3記事【最短3分】で詳しく解説しています。

まとめ

最後にBingbotについて、実測ログをもとに整理していきましょう。

  • BingbotはMicrosoftが動かすウェブクローラーで、Bing検索やMicrosoft系AIサービスの基盤として使われている
  • User-Agentは「bingbot/2.0」を含む文字列。本物かどうかはMicrosoft公式ツールでIPを照合して確認できる
  • AI観測ラボの実測では、8日間で629件・1日平均79件ペースで土日を問わず毎日巡回していた
  • 記事本文より先に、サイトマップ・robots.txt・タグページを繰り返し取得する傾向があった
  • タグページへの集中アクセスは、サイトの概念構造を把握しようとしている可能性がある(観測期間8日間の範囲での傾向)
  • robots.txtで完全ブロックすると、Bing検索やMicrosoft系AIサービスでの参照可能性に影響する可能性がある
  • Bing Webmaster Toolsへの登録とIndexNowの設置で、巡回効率更新反映速度上げられる

Bingbotは従来から存在する検索クローラーですが、Copilotとの接続によって役割が大きく広がっています。実際のサーバーログを観測すると、単なる「検索巡回」ではなく、AI検索時代の情報収集インフラとして動いている様子が見えてきました。

「Googleだけ対応すればいい」という前提は、すでに変わり始めているのかもしれません。

BingbotとCopilotの詳細な実測データはBingbotはCopilotのために毎日来ていた—7日間353件の実測データで見えた挙動、IndexNowとの組み合わせ効果はIndexNowとは?Bingbotは何分で来る?実測3記事【最短3分】で解説しています。

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