Google Search ConsoleのAI検索レポートとは?見えないデータとUK先行の理由
2026年6月3日、GoogleがSearch Consoleに生成AI向けの専用パフォーマンスレポートを追加すると発表しました。AI OverviewsやAI Modeで自分のサイトがどう表示されているかを、通常の検索パフォーマンスとは別のビューで確認できるようになる機能です。
本日記事公開時点では、一部のUKサイトへの限定ロールアウトです。日本のSearch Consoleでは、まだ同じ画面を確認できません。
Search Consoleは、AI検索での「表示」を見る場所になりつつあります。ただし、AIクローラーがいつ・どのページを・どの順番で読みに来たかまでは見えません。
なぜUKから先なのか、何が見えて何が見えないのか、サーバーログとどう使い分けるのかを整理します。
この記事でわかること|📖:約5分
- GoogleがSearch ConsoleにAI検索レポートを追加する背景とUK先行の理由
- 新レポートで見えるデータと、まだ見えていないデータの違い
- Search ConsoleではAIクローラーの動きが見えない理由
- サーバーログとSearch Consoleの補完関係と使い分け
なぜSearch ConsoleのAI検索レポートはUKから先に始まったのか
GoogleがUKのサイトオーナーを対象に先行テストを始めた背景には、UK独自の規制があります。

UKの競争・市場庁(CMA)は2025年10月、GoogleにSearch市場での「戦略的市場地位(SMS)」を認定しました。戦略的市場地位とは、特定の市場で圧倒的な影響力を持つ企業に対して、競争の公平性を保つための特別なルールを課せる制度です。UKのデジタル市場・競争・消費者法(DMCC法)に基づいた仕組みです。
米国では競争法違反の疑いがある場合に裁判で争う形になります。裁判は長期化しやすく、結論が出るまでに何年もかかることがあります。一方で、UKのDMCC法では、規制当局がSMSに指定された企業に対して、より直接的に行動要件を課すことができます。
CMAはGoogleに対して、主にこの2つを求めています。
- パブリッシャーが自分のコンテンツをAI OverviewsなどのAI検索機能に使われることを拒否できる仕組みの提供
- AI生成の検索結果で、元のコンテンツに明確なリンクをつける形での適切なソース表示
Search ConsoleへのAI検索レポート追加やオプトアウトトグルは、上記規制対応の文脈の中で発表された機能です。つまりは、単なる管理画面の改善というより、AI検索でコンテンツがどう使われるのかをサイト運営者に見せ、必要に応じて制御できるようにする流れの一部だと考えられます。
UKで先行しているのは、AI検索の透明性とパブリッシャー保護をめぐる規制が、他国より具体的に進んでいるためです。日本でまだ同じ機能を確認できない理由も、ここにあります。
Search ConsoleのAI検索レポートで見えるようになるデータ
Googleの発表と報道をもとに整理します。新しいAI検索レポートでは、通常の検索パフォーマンスレポートとは別のビューで、生成AI機能からの表示状況を確認できるようになります。

Google公式ヘルプでは、このレポートで「生成AI機能からのオーガニックインプレッションの変化」「インプレッションが多いページ・少ないページ」「デバイスや国などの発生元」を確認できると説明されています。
- インプレッション:AI OverviewsやAI Modeなどで自分のサイトのURLが表示された回数
- 表示ページ:どのページが生成AI機能で表示されているか
- 国:どの国からの表示が発生しているか
- デバイス:どのデバイスからの表示か
- 日付:表示の変化を時系列で確認するための軸
対象となるのは、Google検索のAI OverviewsやAI Mode、Discover内の生成AI機能などです。
これまで生成AI機能からのインプレッションは、通常の検索パフォーマンスレポートにも含まれていました。専用ビューが分離されることで、AI検索での露出を通常検索と切り分けて把握しやすくなります。
まだ見えていないデータ——クリック数がない理由を考える
今回のAI検索レポートで中心になるのは、インプレッションです。AI OverviewsやAI Modeなどの生成AI機能で、自分のサイトのURLがどれだけ表示されたかを見るためのレポートです。
対して、現時点で案内されている内容を見る限り、クリック数を中心に確認するレポートではありません。なぜクリックデータが前面に出ていないのか、公式には理由が明言されていません。ただ、状況を整理すると一つの構図が見えてきます。
AI OverviewsやAI Modeでは、ユーザーが検索結果の画面で回答を得て、そのままサイトへアクセスしないケースが増える可能性があります。読まれて終わる、いわゆるゼロクリック問題です。

クリック数をそのまま開示すると、AI検索で表示された回数と、実際にサイトへ訪問した回数の差が見えやすくなります。インプレッションは「AI検索で表示されています」という事実を示します。
クリックは「実際にサイトに来た人数」を示します。この2つの差が大きいほど、コンテンツがAI検索上で消費され、サイト訪問につながっていない実態が見えやすくなります。
まずインプレッション中心の開示から始まっている背景には、こうした事情があるのかもしれません。あくまで考察ですが、Googleにとってクリックデータの開示は、AI検索とパブリッシャー流入の関係をより直接的に示すセンシティブな情報になりえます。
今後クリックデータが追加されるかどうか、また追加される場合の時期はまだはっきりしていません。そのため、現時点では「AI検索で表示されたか」はSearch Consoleで確認し、「実際にアクセスが来たか」はアクセス解析やサーバーログで補う必要があります。
Search ConsoleではAIクローラーの動きは見えない
AI検索レポートで見えるのは、AI検索機能での「表示結果」です。AIクローラーがサイトに来て、何を読んで、どの順番でページを巡回したかは、Search Consoleには記録されません。

AI検索レポートとサーバーログは、見ているものが根本的に違います。
- AI検索レポート:AI OverviewsやAI Modeでサイトが表示された回数やページ(出口の数字)
- サーバーログ:GPTBotやClaudeBotなどがサイトに来て何を読んだか(入口の行動)
たとえるとGPTBotが毎日サイトに来ていても、Search Consoleには何も記録されません。PerplexityBotが特定の記事を集中的に読みに来ていても、Search Consoleからは確認できません。Google以外のAIクローラーはそもそも対象外です。
さらにGooglebotについても、クロールの詳細な動きはSearch Consoleのクロール統計レポートで一部確認できますが、AI検索レポートとは別の話です。
AI検索レポートは「Googleの生成AI機能で、自分のサイトが表示された結果」を見る場所です。AIクローラーがいつ・どのページを・どの順番で読みに来たかを把握するには、サーバーログを見る必要があります。
サーバーログで見えること・AI観測ラボのプラグインで補えること
AIクローラーの動きを把握するには、サーバーログを見ます。サーバーログには、どのUser-Agentが、いつ、どのページにアクセスしたかが記録されています。
サーバーログで確認できる主な情報はこちらです。
- GPTBot・ClaudeBot・PerplexityBotなど、Google以外のAIクローラーの訪問
- クロールされたページとその順番
- llms.txtやrobots.txtへのアクセス有無
- クロールの時間帯・頻度・波のパターン
- 同じページへの複数IPからのアクセス
たとえばAI観測ラボのログでは、GPTBotがllms.txtにアクセスした2秒後にindex.mdへアクセスする動きを確認しています。llms.txtを確認したあと、そこに記載されたindex.mdへ移動したように見える動きです。Search Consoleには、こうしたアクセス順序までは記録されません。
ですが、サーバーログの確認にはSSH接続やコマンド操作が必要になることがあります。毎日確認するには手間がかかります。
AI観測ラボの診断プラグインを使うと、サーバーログを直接操作しなくても、AIクローラーの訪問をWordPressの管理画面から確認できます。Google以外のAIクローラーの動きを把握したい場合に、Search Consoleの補完として活用できます。
Search Consoleとサーバーログ、そしてAI観測ラボのプラグインは競合するツールではありません。見ているものが違います。

- Search Console:AI検索での表示結果(出口)
- サーバーログ・AI観測ラボプラグイン:AIクローラーの訪問と行動(入口)
オプトアウトトグルの意味と注意点
AI検索レポートと同時に、UKの一部サイト向けにSearch Console内のオプトアウトトグルも提供されました。AI OverviewsやAI Modeなどの生成AI検索機能に、自分のコンテンツを表示させるかどうかを制御できる仕組みです。
Googleの説明では、このトグルでオプトアウトしても、生成AI検索機能以外の通常検索ランキングのシグナルには使われないとされています。かみ砕くと、AI検索から外れても、通常の検索結果での順位には直接影響しないという説明です。
ですが、注意が必要な点があります。
オプトアウトトグルで制御できるのは、AI OverviewsやAI Modeなど、生成AI検索機能での表示です。Googleの生成AIモデルやAIサービス改善への利用を制御するGoogle-Extendedとは別の仕組みです。混同しやすいので整理します。

- オプトアウトトグル(今回提供):AI OverviewsやAI Modeなど、生成AI検索機能での表示を制御する
- Google-Extended(既存):Googleの生成AIモデルやAIサービス改善への利用を制御する
- nosnippet(既存):AI機能だけでなく通常検索のスニペット表示にも影響する
今回のトグルは、通常検索のスニペットに影響を与えずにAI機能だけを制御できる初めての手段です。少なくとも制御の選択肢が増えたという点では、これまでよりサイトオーナーの手元に判断が渡った形になります。
もう少し大きな視点で見ると、通常検索とAI検索は今後分かれていきます。通常検索で順位を保ちながら、AI検索には出ないという選択が技術的に可能になりました。
反対に、AI検索での露出が将来的にどれだけ重要になるかは、まだ見えていません。オプトアウトするかどうかは、自分のサイトの目的とトレードオフを考えて判断する必要があります。
冒頭でもお伝えした通り、このトグルは現時点でUKの一部サイトへの限定提供です。日本での利用可能時期は未定です。
日本でロールアウトされたら確認したいこと
現時点ではUKの一部サイトへの限定提供です。日本でのロールアウト時期は未定です。日本で使えるようになった段階で、以下の項目を追記します。
- 実際のSearch Console画面でのレポートの見え方
- AI観測ラボのサーバーログデータとの比較(インプレッションとクロール数の関係)
- オプトアウトトグルの実際の操作手順
- クリックデータが追加された場合の読み方
この記事は日本ロールアウト後に実測データを追記する予定です。
まとめ
GoogleがSearch Consoleに生成AI向けの専用パフォーマンスレポートを追加すると発表しました。UKで先行テストが始まっている背景には、CMAによる規制対応があります。
単なる管理画面の改善というより、AI検索でコンテンツがどう使われるのかをサイト運営者に見せ、必要に応じて制御できるようにする流れの一部だと考えられます。
新レポートではAI OverviewsやAI Modeでのインプレッションを通常検索と切り分けて確認できるようになります。
ただクリックデータは現時点で中心的には案内されていません。AI検索でどれだけ表示されても、実際にサイトへ来た人数までは見えにくい状態が続きます。
また、Search ConsoleのAI検索レポートで見えるのはGoogleのAI検索機能での表示結果です。GPTBotやClaudeBotなどGoogle以外のAIクローラーがいつ・どのページを読みに来たかは、引き続きサーバーログで確認する必要があります。
Search ConsoleのAI検索レポートは、AI検索時代の重要な一歩ですが・・・
検索レポートのみで透明になるわけではありません。表示された結果を見るSearch Consoleと、読みに来た過程を見るサーバーログ。この2つを分けて見ることが、これからのAI検索対策の基本になります。
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