日本でChatGPT広告表示へ、でもAds Managerは利用不可?実際に試した結果
日本でもChatGPT広告の表示開始が報じられています。
では、日本企業はすでにChatGPT広告を自社で出稿できるのでしょうか。
実際にads.openai.comから、日本の広告主としてAds Managerの登録を試してみました。事業者情報の入力までは進み、国はJapan、通貨はJPYを選択できる画面にもたどり着きました。
しかしながら、広告主アカウントを作成した後、「お住まいの国では、Ads Managerはまだご利用いただけません」と表示され、Ads Manager本体には入れませんでした。
この記事では、筆者が実際に登録を試した結果と、そこから見えてきた「広告が表示される国」と「企業が自社で出稿できる国」の違いについて整理します。
この記事でわかること|📖:約4分
- 日本でのChatGPT広告表示開始報道の概要
- 日本の広告主としてAds Manager登録を試した実際の流れ
- 国Japan・通貨JPYまでは選べたが、Ads Manager本体に進めなかった結果
- 「広告が表示される国」と「出稿できる国」が別フェーズである可能性
- 今後、出稿可能になった後に観測しておきたいポイント
ChatGPT広告は日本でも表示開始へ
OpenAIは2026年2月、ChatGPTのFreeプランとChatGPT Goプランを対象に、米国で広告表示のテストを始める方針を発表しました。その後、広告パイロットは段階的に拡大されています。
2026年5月には、日本を含む複数国へ広告パイロットを拡大する方針も示されました。さらに6月には、日本のユーザー向けにもChatGPT広告の表示が始まると報じられています。
米国でのテスト開始当初は、広告とオーガニック引用が混ざって見えるのではないかという不安の声も上がっていました。仕組みの違いについては、以前別記事で整理しています。
今回整理しておきたいのは、「広告がユーザーに表示される国」と「広告主がセルフサーブで出稿できる国」は、必ずしも同じタイミングで開放されるとは限らないという点です。
ユーザー側に広告が表示され始めることと、企業側がAds Managerを使って自社で広告を出せるようになることは、別のロールアウト段階として進んでいる可能性があります。
実際に日本の広告主としてAds Manager登録を試してみると、その違いが見えてきました。
Ads Managerに日本の広告主として登録してみた
ChatGPT広告の出稿には、OpenAIが提供する広告管理画面「Ads Manager」を使います。
ads.openai.comへアクセスし、OpenAIアカウントでログインすると、まず「ビジネスについて教えてください」という入力画面が表示されました。
この画面では、正式な事業者名または会社名、ビジネスのウェブサイト、業種を入力するようになっています。筆者の環境では、この時点で地域制限の表示は出ず、日本の事業者としてビジネス情報の入力画面まで進むことができました。

この時点では、Ads Managerが利用できないという案内は表示されませんでした。
国はJapan、通貨はJPYを選べた
ビジネス情報の入力を終えると、「アカウントの詳細を確認」という画面に進みました。
ここでは、国・通貨・タイムゾーン・広告主の種類などを確認します。
国の項目にはJapanを選択でき、通貨もJPYが表示されました。広告主の種類は法人を選び、代理店ではなく自社の広告のみを運用する立場として進めました。
一方で気になった点もあります。筆者の環境では、タイムゾーンの項目が「米国太平洋時間 – Los Angeles」のまま表示されていました。国はJapan、通貨はJPYになっているものの、少なくとも自動では日本向けのタイムゾーンに切り替わっていませんでした。

この時点までは、日本向けのアカウント作成フローが一部開いているように見えました。「広告主アカウントを作成」ボタンを押し、次の画面に進みました。
しかし、Ads Manager本体には入れなかった
「広告主アカウントを作成」ボタンを押すと、画面が切り替わりました。
表示されたのは、次のメッセージです。
「お住まいの国では、Ads Managerはまだご利用いただけません」
続けて、Ads Managerは現在一部の国でのみ利用でき、提供地域が拡大した際には案内するという説明が表示されました。

国はJapan、通貨はJPYとして登録フローを進められたにもかかわらず、アカウント作成直後の段階で止まる形になりました。キャンペーンの作成や予算設定、広告審査の流れまでは確認できませんでした。
「広告が表示される国」と「出稿できる国」は別フェーズかもしれない
今回の結果から見えてきたのは、ChatGPT広告のロールアウトには少なくとも2つの段階があるという可能性です。
- ユーザーに広告が表示される段階
- 広告主が自社でAds Managerを使って出稿できる段階
日本は前者の対象には含まれつつあるように報じられています。しかし今回確認した限りでは、後者については筆者の環境ではまだ利用できませんでした。
「日本でChatGPT広告が始まる」というニュースは、ユーザーが広告を目にするようになるという話であり、日本企業がすぐに自社で出稿できるようになるという話とは、いったん分けて考えた方がよさそうです。
なお、これは「日本企業がChatGPT広告を一切出稿できない」という意味ではありません。OpenAIは、Dentsu、Omnicom、Publicis、WPPなどの代理店パートナー経由でもChatGPT広告を購入できると説明しています。
対して、今回確認したのは、広告主がAds Managerに直接登録し、自社でキャンペーンを作成・運用するセルフサーブ出稿の可否です。
つまり現時点では、大手代理店やパートナー経由の出稿ルートと、中小企業が自社で直接出稿するセルフサーブルートは、開放状況が異なる可能性があります。
日本企業が今できること
現時点で日本の広告主アカウントからAds Manager本体に進めなくても、準備しておけることはあります。
まず整理しておきたいのは、代理店やパートナー経由の出稿ルートと、Ads Managerに直接登録して自社で運用するセルフサーブ出稿は、別のルートである可能性があるという点です。今回確認したのは、あくまで日本の広告主がAds Managerに直接登録し、自社で出稿できるかどうかです。
そのうえで、ads.openai.comから実際に登録フローを確認しておくことには意味があります。今回のように地域制限で止まる可能性はありますが、入力項目や必要情報を事前に把握しておけば、開放されたときにすぐ動けます。
OpenAIの広告ポリシーやヘルプドキュメントにも、目を通しておくとよさそうです。広告フォーマットや審査基準は、出稿開始後に細かく変わる可能性があります。
また、ランディングページや計測の仕組み、コンバージョン導線も準備しておく価値があります。ChatGPT広告は検索広告と異なり、ユーザーが比較検討している会話の流れの中に表示される可能性があります。いきなり購入や申し込みを求めるより、資料請求や相談予約、見積もり依頼といった、検討段階に合わせた導線を用意しておく方が相性がよいと考えられます。
さらに、広告出稿が可能になった後は、広告として送信したランディングページにOpenAIの広告関連クローラーがアクセスする可能性もあります。今後、日本でもAds Managerが開放された場合は、出稿可否だけでなく、広告LPにどのようなクローラーが訪れるのかも観測していきたいところです。
今後確認したいこと——OAI-AdsBotの挙動
今回はAds Manager本体に進めなかったため、広告作成やランディングページの審査までは確認できませんでした。
ただ、OpenAIの広告主向けガイドでは、広告として送信されたランディングページの安全性確認や関連性判断のために、OpenAIのクローラーがページを訪問する可能性があると説明されています。特にOAI-AdsBotは許可が必要とされており、OAI-SearchBotもあわせて許可することが推奨されています。
今後、日本の広告主にもAds Managerが開放された場合、広告出稿の可否だけでなく、OAI-AdsBotが実際にどのようにランディングページへアクセスするのかも確認したいところです。
まとめ
今回、ads.openai.comから日本の広告主としてAds Manager登録を試したところ、ビジネス情報の入力や、国Japan・通貨JPYの確認画面までは進めました。
その後、広告主アカウント作成後には「お住まいの国では、Ads Managerはまだご利用いただけません」と表示され、Ads Manager本体には進めませんでした。
この結果から、少なくとも筆者が確認した時点では、日本の広告主がAds Managerから直接ChatGPT広告をセルフサーブで出稿できる状態ではないと考えられます。
ですが、これは代理店やパートナー経由での出稿ルートまで否定するものではありません。今回確認したのは、あくまで広告主がAds Managerに直接登録し、自社で出稿できるかどうかです。
一方で、ChatGPT広告のロールアウトは始まったばかりで、提供地域や出稿条件は今後変わる可能性があります。
日本でChatGPT広告の表示が始まることと、日本企業が自社でAds Managerから直接出稿できることは、いったん分けて考える必要がありそうです。出稿が解禁された後の動きも、引き続きこの観測ラボで確認していきます。
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