AI実験室 2026.02.23 10 min read

12サイトのAI可視性を計測してわかったこと【AI実験室 #02】

AI可視性に関して12サイト実験した記事サムネ
OBS-LOG / 2026.02.23
TABLE OF CONTENTS

冨島 基宏

Motohiro Tomishima
AI実験室 著者

Webデザイン・ECサイト運営を経て、AIと検索の変化に興味を持ち観測を開始。「作りながら確かめる」スタイルで、生成AIがウェブをどう読むかを記録し続けている。理論より、手を動かした結果を重視。

Webデザイン
ECサイト運営
AI検索
生成AI観測
サイト設計

「うちのサイト、AIに読まれてるんだろうか」

そう思いながらも、何をどう確認すればいいかわからないまま運営しているサイトは多いはずです。今回はそのモヤモヤを少し晴らすために、業種もサイズもバラバラな12サイトをAI観測ラボで実際に計測してみました。結果は、予想とかなり違うものでした。


実験の概要

使用ツールはAI観測ラボ(ai-kansoku.com)。URLを入力するだけで、以下の8項目を自動診断してAI可視性スコア(100点満点)を算出します。

  • AIクロール許可率(robots.txt)
  • サイトマップ
  • llms.txt
  • 構造化データ
  • メタタグ
  • セマンティックHTML
  • モバイル最適化
  • パフォーマンス

対象は飲食・医療・IT・ECなど異なる業種から12サイトを選定。大手から個人運営まで意図的に混在させています。サイト名は伏せて業種のみ表記します。計測は2026年2月時点のものです。


結果一覧

まず全体の結果をご覧ください。

業種 スコア AIクロール許可
飲食(洋食レストラン) 81点 5/5 ✅
医療(歯科クリニック) 63点 5/5 ✅
飲食(バー) 63点 5/5 ✅
EC(北欧雑貨) 56点 5/5 ✅
IT・Web制作 56点 5/5 ✅
飲食(餃子専門店) 53点 5/5 ✅
コーポレート(建材) 51点 5/5 ✅
IT・Web制作 49点 5/5 ✅
医療(クリニック) 46点 5/5 ✅
IT・コンサル 42点 5/5 ✅
飲食(餃子チェーン) 44点 不明
医療(大病院) 41点 0/5 ❌

最初の発見は、ほぼ全サイトがAIクロールを許可していたということです。「設定できていないサイトが多いはず」という事前の仮説は外れました。唯一の例外が医療(大病院)の1サイトで、5社すべてブロック状態でした。

一方でスコアは41〜81点と大きな開きがあります。許可しているかどうかだけでは、この差は説明できません。


発見①:許可してるだけでは足りない

AIクロールを許可することは「入口を開ける」だけです。入ってきたAIが何を読むか、どう理解するかは別の話。AIクローラーがサイトをどう読んでいるかを知っておくと、この違いがよりわかりやすくなります。

今回スコアの差を生んでいた主な要因は3つでした。

  • llms.txtの有無:AIにサイトの概要や重要ページを直接説明するファイル。詳しくはllms.txtとは?をご覧ください
  • 構造化データの有無:AIが情報を正確に解釈するための構造化された記述。構造化データの設定方法も参考にしてください
  • セマンティックHTMLの質:AIがページの構造を理解しやすいHTML設計

robots.txtでAIを招待しても、部屋の中が整理されていなければAIは何が重要な情報かわからない。robots.txtの正しい書き方を押さえた上で、その先の整備に進むことが大切です。


発見②:大病院が0点、小さなレストランが81点という逆転

今回最も印象的だったのがこの対比です。実際の項目別スコアを並べてみます。

項目 A病院(医療・大病院) Bレストラン(飲食・小規模)
総合スコア 41点 81点
AIクロール許可 0/5 ❌ 5/5 ✅
サイトマップ 100点 80点
llms.txt 0点 100点 ✅
構造化データ 0点 70点 ✅
メタタグ 72点 84点
セマンティックHTML 41点 85点
モバイル最適化 40点 78点
パフォーマンス 36点 54点

A病院はサイトマップが100点と唯一満点の項目がある一方、AIクロール・llms.txt・構造化データがすべて0点という状態です。サイトマップはちゃんと作られているのに、AIへの対応だけが完全に抜け落ちている。

なぜA病院がブロックしているのか。おそらく意図的ではなく、robots.txtが何年も前に設定されたまま放置されているのだと思います。大きな組織ほどWebサイトの細部まで手が回らない。さらにA病院クラスになると、地域の医療ネットワークや口コミで患者が集まるため、そもそもWebへの依存度が低く、更新の優先度が下がりやすいという背景もあります。

組織の規模と対応速度が、AI時代においては完全に逆転しています。


発見③:llms.txtが最大の差別化要因だった

81点を出したBレストランと他サイトの決定的な違いは、llms.txtの存在でした。12サイト中、llms.txtを設置していたのはBレストランのみ。しかも589語・83行という充実した内容で、品質評価は「excellent」でした。

llms.txtとは、AIに対してサイトの概要や重要ページを説明するファイルです。robots.txtが「どこに入っていいか」を伝えるのに対し、llms.txtは「うちのサイトはこういうサイトで、ここが重要です」とAIに直接説明できます。具体的な書き方はllms.txtとは?最新のAI対応サイトマップを解説をご覧ください。

飲食店がこれを設置しているという事実は、業種の問題ではないことを示しています。誰かがAI最適化を意識してサイトを作り、管理している。それだけの話です。


発見④:IT系なのになぜ低い?「誰が作ったか」問題

今回意外だったのが、IT・Web制作会社のスコアが42〜56点にとどまっていたことです。「Web制作のプロなら高いはず」という予想は外れました。

理由として考えられるのは、自社サイトは後回しになりやすいという構造的な問題です。クライアントワークが優先されるため、自社サイトのメンテナンスは常に後手に回る。※「紺屋の白袴」という言葉がありますが、まさにそれが数字に出た形です。

※人には立派なものを提供しているのに、自分のことは後回しにしている状態。

これはIT系に限った話ではありません。今回の計測を通じて感じたのは、スコアの差は業種よりも制作・管理側がAI時代の最適化をどこまで知っているかに依存しているということです。医療系はAI対策への意識が低いだろうという予想に反して、歯科クリニックが63点を出していました。知識とアップデートの意識があれば、どんな業種でも対応できます。


スコアだけでは測れないこと

ここまでスコアをもとに話をしてきましたが、AI可視性スコアはあくまで技術的な設定面を測るものです。スコアが高くても、それだけでAIに引用されるわけではありません。

スコアの外にある、もっと大事な要素が3つあります。

コンテンツの質そのものが一番の土台です。器をどれだけ整えても、中身が薄ければAIは引用しません。AIが参照したいと思うコンテンツ——明確で、信頼性があり、他にはない情報——を作ることが前提です。

更新頻度も見落とされがちな要素です。AIクローラーは更新頻度の高いサイトを優先的に再訪する傾向があります。今回のスコアは2026年2月時点の一時点を切り取ったものです。設定を整えても、サイトを放置していればクローラーは足が遠のきます。

権威性・信頼性も関わってきます。被リンクの質や、専門家としての発信実績、E-E-A-T的な要素は、AIがそのサイトを「引用に値するソース」として認識するかどうかに影響します。技術設定だけで解決できない部分です。

スコアは改善の出発点として使うものです。数字を上げながら、コンテンツと信頼性も並行して育てていく。その両輪が大切です。


スコアを上げるための優先順位

今回の実験をもとに、技術面での対応優先順位を整理します。

優先度 対応項目 難易度 効果
🔴 最優先 AIクロール許可(robots.txt) ★☆☆ 入口を開ける。ここがゼロだと何も始まらない
🟠 次に対応 llms.txt ★★☆ 12サイト中1サイトしか設定しておらず、差別化効果が高い
🟠 次に対応 構造化データ ★★☆ AIが情報を正確に解釈できるようになる
🟡 余裕があれば セマンティックHTML改善 ★★★ ページ構造をAIが読みやすくなる
🟡 余裕があれば パフォーマンス改善 ★★★ クロール効率が上がり、読まれる頻度が増える

まずrobots.txtでAIクロールを許可して、次にllms.txtを設置する。この2ステップだけで、今回の12サイトの大半より上位に行ける可能性があります。難しい技術は必要ありません。


まとめ

今回の実験でわかったことを整理します。

  1. AIクロールの許可設定は、思ったより多くのサイトが済んでいた
  2. 許可だけではスコアに差が出ない。llms.txt・構造化データ・HTML構造が次の壁
  3. 大きな組織ほどrobots.txtが放置されているリスクがある
  4. IT系でも自社サイトは後回しになりやすく、業種よりリテラシーの差が出る
  5. llms.txtが最大の差別化要因。設置しているサイトはまだ少ない
  6. スコアは技術面の指標。コンテンツの質・更新頻度・権威性も並行して育てることが大切

自分のサイトが今どんな状態か、まずは計測してみてください。URLを入れるだけで、今日紹介した8項目を無料で診断できます。

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※ 本記事はAI観測ラボが独自に計測・検証した内容をもとに執筆しています。対象サイトは2026年2月時点の診断結果です。

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