ノイズだらけのHTMLをAIに読ませたら、Geminiだけ「無理です」と拒否した
AI実験室、最初の観測記録です。
広告やnav、script、入れ子だらけのdivを大量に詰め込んだノイズまみれのHTMLを、ChatGPTとClaude、Geminiに読ませてみました。結果、ChatGPTとClaudeは内容を正確に拾いました。一方Geminiは「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、お手伝いできる機能がありません」と、回答そのものを拒否しました。
正直、笑ってしまいました。同じノイズだらけのページを渡しただけなのに、AIによって反応がはっきり分かれるとは予想していませんでした。
処理の正確さだけでなく、応答速度にも数値として現れた変化がありました。実験で起きたことを、順番に記録します。
この記事でわかること|📖:約4分
- ノイズの多いHTMLでも、AIは本文をどこまで正確に拾えるのか
- ChatGPT・Claude・Geminiで応答速度にどれだけ差が出るのか(実測値あり)
- Geminiがノイズ版を「処理できない」と拒否した理由
- クリーンな構造が効くのは、精度よりも処理コストかもしれないという示唆
そもそも「ノイズの多いHTML」ってなに?
ふつうのウェブページには、本文以外にも大量のHTMLが含まれています。
- ヘッダーナビゲーション
- フッター・サイドバー
- 広告スロットとそのスクリプト
- SNSシェアボタン
- コメントフォーム
- 意味のない装飾用divの入れ子
- Google Tag ManagerやGA4のトラッキングコード
読者には見えないか、あるいは本文と無関係な要素たちです。でもHTMLとしては全部同じファイルの中に存在しています。AIがページを読む際、ナビゲーションや広告のようなノイズ要素をどう扱っているのか、ずっと気になっていました。
実験の設計
比較するページ
今回は当ブログの記事「AIクローラーとは?引用されるサイト設計の基本と8つの対策」を使いました。
- 元記事:通常のWordPressページ(標準的なHTML構造)
- ノイズ版:同じ本文に、広告コード×5、nav/footer/サイドバー完全版、SNSシェアボタン上下2箇所、コメントフォーム、4重ネストのdiv、複数のscriptタグ、ニュースレター登録フォームなどを大量追加した検証用ページを別途公開
ノイズ版は実際にサイトへ投稿し、同じURLで各AIにアクセスさせました。
検証に使用したページ:AIクローラーとは?引用されるサイト設計の基本と8つの対策
ノイズ版(検証用):祖母の鉄鍋と火加減の設計(※検証用ページは後日、別の実験のため内容を差し替えています)
使ったプロンプト
以下のページを読んで、この記事の主な主張を3点にまとめてください。
[URL]
シンプルに「主張を3点で」だけ。要約の正確さとノイズの混入具合を見るのに十分な指示です。毎回新しいチャットで投げることで、会話履歴の影響を排除しました。
実施AI
- ChatGPT(GPT-4o、ブラウジング機能オン)
- Claude(Sonnet 4.6)
- Gemini
応答速度の計測結果
今回は要約の内容だけでなく、応答時間もストップウォッチで計測しました。送信ボタンを押した瞬間から回答が完了するまでの時間を、各条件で新しいチャットを開いて記録しています。
| 条件 | 応答時間 | 通常版との差 |
|---|---|---|
| ChatGPT 通常版 | 3.4秒 | — |
| ChatGPT ノイズ版 | 4.2秒 | +1.2秒(+43%) |
| Claude 通常版 | 3.0秒 | — |
| Claude ノイズ版 | 4.1秒 | +1.1秒(+37%) |
| Gemini 通常版 | 4.7秒 | — |
| Gemini ノイズ版 | 回答拒否(後述) | |
※ 各条件2回計測しています。ネットワーク環境やモデルの状態により変動するため、参考値としてご覧ください。
ChatGPTもClaudeも、ノイズ版では約40%遅くなりました。秒数だけ見ると1秒ちょっとの差ですが、率として見ると無視できない数字です。
そして、Geminiで予想外のことが起きました。
Geminiがノイズ版を拒否した
ノイズ版のURLをGeminiに投げたところ、次の返答が来ました。
「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについてお手伝いできる機能がありません。」
正直、笑ってしまいました。ChatGPTもClaudeも普通に処理したページを、Geminiだけ「無理」と判断しました。
おそらく、ノイズ量がGeminiの「本文らしさ」判定のしきい値を下回ったのだと思います。ページ全体の情報量に対して本文の割合が低すぎると、安全側に倒して回答しない設計なのかもしれません。ChatGPTやClaudeよりノイズへの許容度が厳しめに設定されているという可能性があります。
今回の結果は、AI実験室の次の実験テーマになりそうです。ノイズを少しずつ減らしていったとき、Geminiはどこで回答するようになるのか、気になるところです。
Perplexityも拒否した

Geminiの件を記録した後、Perplexityにも同じノイズ版のURLを投げてみました。
返ってきたのは次の返答でした。
「指定いただいたURLのページ本文をこちらから直接読むことができないため、記事の内容を把握できていません。」
GeminiとPerplexity、2つのAIが同じノイズ版を「読めない」と判断したことになります。
ただし興味深いのは、その後Geminiに再度同じURLを投げたところ、今度は普通に読めたことです。AIの挙動は固定ではなく、モデルのアップデートや状態によって変わる可能性があります。
「読めない」という結果も、時間が経てば変わります。挙動の変化自体が観察として記録しておく価値があると感じました。
実験結果:要約の内容比較
ChatGPT の回答
元記事版:
- AIクローラーは検索エンジン用クローラーとは異なり、生成AIに情報を正しく理解・引用させるために重要な存在である
- AIクローラーにサイトを正しく巡回・理解させるための具体的な対策が必要である(robots.txt、sitemap、メタタグ、構造化データなど)
- 最終的には、高品質で構造が明確なコンテンツを継続して発信することが、AI時代のサイト最適化の本質である
ノイズ版:
- AIクローラーはAI回答の文脈で参照されるための前提条件である
- robots.txtの適切な設定、sitemap.xml、メタタグ、構造化データ、llms.txtなど、ステップを踏んだ対策を具体的に解説している
- ただ単にクロールされるだけでなく、コンテンツ構造や意味まで機械に伝わるよう設計し、信頼性の高い情報を継続的に発信することが本質
主張の内容自体は正確でした。ただノイズ版では各点の説明が長くなり、「llms.txt」など具体的な施策名まで混入し始めました。要約の粒度が少し荒くなった印象です。
Claude の回答
元記事版:
- AIクローラーは検索エンジンのクローラーと根本的に異なり、「理解して引用する」ために巡回する
- AIに引用されるためには技術的な対策を優先度順に実施する必要がある
- AI時代の本質は「情報を正しく届ける設計」であり、コンテンツの質と信頼性が最終的な差を生む
ノイズ版:
- AIクローラーは検索エンジンのクローラーと根本的に異なり、「理解して引用する」ために巡回する
- AIに引用されるためには技術的な対策を優先度順に実施する必要がある
- AI時代の本質は「情報を正しく届ける設計」であり、コンテンツの質と信頼性が最終的な差を生む
元記事版とほぼ同じ内容でした。Claudeはノイズ版でも要約の質がほとんど変わりませんでした。
4パターン比較まとめ
| 項目 | ChatGPT 元記事 |
ChatGPT ノイズ版 |
Claude 元記事 |
Claude ノイズ版 |
|---|---|---|---|---|
| 主張の正確さ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| ノイズの混入 | なし | なし | なし | なし |
| 要約の簡潔さ | ◎ | △ やや冗長 | ◎ | ◎ |
| 応答速度 | 3.0秒 | 4.2秒 ⚠️ | 3.0秒 | 4.1秒 ⚠️ |
※△ = ノイズ版でChatGPTの要約がやや冗長に。施策名(llms.txtなど)が混入。
観察したこと
① AIはナビや広告を「読んでいない」
nav、フッター、サイドバー、広告テキスト、コメントフォームのラベル……これらの要素は4パターンすべてで要約に一切混入しませんでした。現代のAIは本文と非本文をある程度自動で区別できていると考えられます。
少なくとも「ノイズがあると意味不明な要約が返ってくる」ということはありませんでした。正直、予想より優秀でした。
② でも応答速度には約40%の差が出た
今回いちばん興味深かった観察です。
ノイズ版のページをAIに読ませると、ChatGPTもClaudeも約40%遅くなりました。内容の正確さには影響しなくても、処理するデータ量が増えた分だけ時間がかかっています。「体感的に遅い」ではなく、数値として出たのが今回の収穫です。
リアルタイムブラウジング系のAI(ChatGPT-UserやPerplexityBot)がページに即時アクセスして回答を生成する場合、処理速度への影響は無視できないかもしれません。
③ AIごとにノイズへの耐性が違う
今回最も驚いた発見です。ChatGPTとClaudeは速度は落ちながらも正確に処理したのに、Geminiは同じページを「処理できない」と判断して回答を拒否しました。
AIによって「読めるページ」の基準が違います。複数のAIに対応したいなら、最も厳しい基準に合わせてページを整理する必要がある、という視点が生まれた実験でした。
④ ChatGPTはノイズで要約が少し荒くなった
Claudeは元記事・ノイズ版ともにほぼ同等の要約を返しましたが、ChatGPTはノイズ版で要約が少し冗長になりました。全体の情報量が増えた結果、要約の切り取り方が変わったのかもしれません。
今回はサンプルが各1回ずつの計測のため、モデルの揺らぎの範囲内である可能性もあります。
サイト設計への示唆
「AIはノイズを無視できる」という結果は一見ポジティブですが、「だからHTMLは雑でいい」にはなりません。今回の実験から言えることは3つです。
- 処理速度への影響は数値として出ます。約40%の遅延は無視できない水準です。特に複数ページをAIに参照させるケースでは、この差が積み重なります。
- AIごとにノイズへの許容度が違います。Geminiのように拒否するAIもいます。すべてのAIに読ませたいなら、最も厳しい基準に合わせる必要があります。
- クリーンな構造は保険になります。AIが賢くても、セマンティックHTMLや不要コードの除去は「処理コストを下げる」「要約を安定させる」「より多くのAIに読ませる」という意味で有効です。
「AIに読まれやすいサイト設計」は、AIの処理能力が低いから必要なのではなく、AIに余計な仕事をさせないために必要なのかもしれません。今回の実験から、そんな見方ができました。
実験の限界と正直なところ
今回の方法には、はっきりした限界があります。
今回やったのは「AIにURLを渡してページを読ませる」という方法です。実際のクローラー(GPTBotやClaude-Web)がサイトを巡回する挙動とは厳密には異なります。実際のクローリングでは、ページの取得方法・処理タイミング・インデックスの仕組みが異なるため、今回の結果がそのまま当てはまるとは言い切れません。
また、各条件1回ずつの計測のため、再現性の検証には不十分です。速度の数値はあくまで参考値としてご覧ください。今回の内容は「観察の記録」として読んでいただければと思います。
次の実験
Geminiがノイズ版を拒否した件が気になっています。ノイズ要素を少しずつ削っていったとき、Geminiはどこで回答するようになるのか。「どのノイズが原因だったのか」を探る実験を次回やってみます。
引き続き観測を続けます。
実施日:2026年2月19日 / 計測日:2026年2月 / 使用AI:ChatGPT(GPT-4o、ブラウジング機能オン)、Claude(Sonnet 4.6)、Gemini
追記:この記事自体が、未インデックスだった
この記事を公開してしばらく経ってから気づいたことがあります。「AIはノイズを無視できるか」を確かめたこの記事自体が、Googleにインデックスされていませんでした。
ノイズの少ない、構造を意識して書いたはずの記事が、検索結果には一切出てきていなかったということです。実験で得た示唆を、自分自身の記事で証明しました、なんでNoindexになったかは現在検証中です。(2026,6月)
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