実装・技術解説 2026.04.14 13 min read

AIエージェントのUser-Agentまとめ—識別できる4種・Chromeに化ける3種

AIエージェントの識別可否をUser-Agentで分類した図解——識別できる4種類と識別できない3種類
OBS-LOG / 2026.04.14
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2026年3月20日、Googleが新しいUser-Agent Google-Agent を追加しました。ChatGPT-UserやClaude-Userと同じく、ユーザーの指示でサイトを訪問したときに名乗るAIエージェントです。

現状、サーバーログから識別できるAIエージェントは4種類だけ。ChatGPT AtlasやPerplexity CometはChromeと同じUAで来るため、ログを見ても人間のアクセスと区別できません。

つまり「AIエージェントの訪問ゼロ」と思っていても、実は来ている可能性があります。本記事では識別できる4種のUA実例とgrep方法、識別できない3種の構造的理由を7分で解説します。

この記事でわかること|📖:約7分

  • AIエージェントの訪問がクローラーと何が違うのか
  • サーバーログで識別できる4種類のUser-Agentと実際の文字列
  • ChatGPT Atlas・Perplexity Comet・Claude in Chromeが識別できない構造的な理由
  • サーバーログで今日からできる確認方法

AIエージェントの訪問は、クローラーと何が違うのか

サーバーログを見ていると、GPTBotやClaudeBotといった名前が定期的に現れます。これらは学習用クローラーで、OpenAIやAnthropicが自社のAIモデルを改善するためにバックグラウンドで自動巡回しています。ユーザーの操作とは無関係に、24時間動き続けています

自動巡回型クローラーとユーザー指示型AIエージェントの違いを示す図解
左:GPTBotなどのクローラーは自動巡回。右:ChatGPT-Userなどのエージェントはユーザーの指示があったときだけ来る

AIエージェントの訪問は、仕組みがまったく異なります。誰かが「このサイトを調べて」「ここの料金を確認して」と指示したときだけ動きます。

はじめてエージェントがサイトにアクセスし、ユーザーの行動に紐づいたリアルタイムのフェッチが発生します。

識別の鍵は、User-Agentにある

AIエージェントがサイトに来たとき、サーバーログに残る情報は人間のアクセスとほぼ同じです。IPアドレス・タイムスタンプ・アクセスしたURL・そしてUser-Agent(UA)。このうち、エージェントの正体を教えてくれるのはUser-Agentだけです。

IPアドレスで判定しようとすると、すぐに限界が来ます。ChatGPT-UserはAzureのIPから来ますが、AzureのIPはChatGPT-User以外のサービスも大量に使っています。

「AzureのIPだからChatGPT-Userだ」という判定は誤検知だらけになります。以前の記事(AIクローラーはIPで判定するな——User-Agentを使うべき理由)でも詳しく解説しています。

現時点でサーバーログから識別できるAIエージェントのUAは、4種類確認されています。

User-Agentは、アクセスしてきたプログラムが自分で名乗る文字列です。たとえばChatGPT-Userなら、ログに以下のような文字列が残ります。

Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko); compatible; ChatGPT-User/1.0; +https://openai.com/bot

「ChatGPT-User」という文字列が含まれているので、grepで一発で拾えます。識別できるかどうかは、このUser-Agentにエージェント固有の文字列が含まれているかどうかだけで決まります。

識別できる4種類——サーバーログで捕捉できるAIエージェント

現時点でUser-Agentに固有の文字列を持つAIエージェントは4種類です。サーバーログをgrepすれば来訪を確認できます。

エージェント名 運営 UA文字列(一部) robots.txt
ChatGPT-User OpenAI ChatGPT-User/1.0 適用外
Claude-User Anthropic Claude-User/1.0 適用外
Perplexity-User Perplexity Perplexity-User/1.0 適用外
Google-Agent Google compatible; Google-Agent 適用外

学習クローラー(GPTBot・ClaudeBot)はrobots.txtを遵守しますが、エージェントはユーザーの代理として動くため、ブラウザと同じ扱いになります。robots.txtでブロックしても、エージェントの訪問は止まりません。

ChatGPT-User

ユーザーがChatGPTの会話中にURLを貼ったり、ウェブ検索を指示したりしたときに来ます。IPはAzureからで毎回異なりますが、UAに
ChatGPT-User/1.0が含まれるため確実に識別できます。

実測データは誰かがChatGPTにURLを貼った——サーバーログで見えた正体で公開しています。

Claude-User

ClaudeがウェブをリアルタイムでフェッチするときのUAです。ClaudeBotが学習目的のバックグラウンドクローラーであるのに対し、Claude-Userはユーザーの質問に答えるためにリアルタイムでページを取得します。

詳しくはClaude-SearchBotとは?ClaudeBot・Claude-Userとの違いとrobots.txt設定をご覧ください。

Perplexity-User

Perplexityがユーザーのクエリにリアルタイムで答えるときに使うUAです。定期クロール用のPerplexityBotとは別物で、ユーザーが特定のURLを指定して質問したときなどに来ます。Perplexityのクローラー全体の挙動はPerplexityにサイトを読まれるには——クロール実測でわかったことでまとめています。

Google-Agent

2026年3月20日にGoogleが公式ドキュメントに追加したばかりの新しいUAです。Project Marinerをはじめ、Googleインフラ上で動くAIエージェントがユーザーの指示でサイトを訪問するときに名乗ります。

GooglebotとはIPレンジのファイルも別(user-triggered-agents.json(Google公式IPリスト))で、robots.txtの適用外です。現時点では来訪数はまだ限定的ですが、ロールアウトが進むにつれて増えていきます。

識別できない3種類——来ていても気づけないAIエージェント

AIブラウザ型のエージェントは、User-Agentに固有の文字列を持ちません。ChromeやSafariと同じUAで来るため、サーバーログを見ても人間のアクセスと区別がつきません。識別できない理由は下記の2つのパターンに分かれます。

パターン①:UA偽装なし。素のChromeとして来る

ChatGPT AtlasとPerplexity Cometは、ChromiumをベースにしたAIブラウザです。通常のChromeと同じUser-Agentでアクセスしてくるため、サーバーログ上では普通のChrome利用者と区別がつきません。

ChatGPT AtlasのUAはこうなります。

Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36

最新のmacOS版Chromeと完全に一致します。「Atlas」という文字列はどこにも含まれていません。

「Atlas」や「Comet」「Claude」といった文字列はUA内のどこにも含まれないため、grepでフィルタリングする手段がありません。

Perplexity Cometも同様です。

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36

OSが違うだけで、やはり識別子はありません。Cometはブラウザ拡張機能がエージェント動作を制御しており、DevToolsレベルでは内部ファイル(overlay.jsなど)が確認できますが、サーバーログには何も残りません。

パターン②で解説するClaude in Chromeも含め、計3種類がサーバーログでは捕捉不能です。

パターン②:拡張機能型でUAはChromeのまま

Claude in ChromeはAnthropicが提供するChrome拡張機能です。ブラウザそのものはChromeなので、サーバーログに残るUser-AgentはChromeそのものになります。エージェントが動いているかどうかは、拡張機能がブラウザ内部で制御しているため、サーバー側からは一切見えません。

Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36

これも通常のChromeと全く同じです。拡張機能の情報はUAに含まれません。

パターン①との違いは、アーキテクチャにあります。ChatGPT AtlasはChromiumをフォークして独自ブラウザを作っています。Claude in ChromeはChromeをそのまま使い、拡張機能としてエージェント機能を追加しています。どちらもサーバーログには普通のChromeアクセスとしか記録されません。

エージェント名 運営 アーキテクチャ サーバーログ上のUA
ChatGPT Atlas OpenAI Chromiumフォーク(独自ブラウザ) ChromeのUAそのまま
Perplexity Comet Perplexity Chromiumフォーク(独自ブラウザ) ChromeのUAそのまま
Claude in Chrome Anthropic Chrome拡張機能 ChromeのUAそのまま

3種類とも結果は同じです。来ていても、サーバーログを見るだけでは気づけません。

サーバーログで実際に何が見えるか・見えないか

識別できる4種類のエージェントは、サーバーログをgrepするだけで確認できます。ConoHa WINGのログであれば以下のコマンドで拾えます。

grep -iE "chatgpt-user|claude-user|perplexity-user|google-agent" access.log

見つからないのはChatGPT Atlas、Perplexity Comet、Claude in Chromeの3種類です。

ログに残る内容はIPアドレス・タイムスタンプ・アクセスURL・UAの4点だけです。「どのページに来たか」「何時に来たか」はわかります。ただし、何人のユーザーの指示で来たのか、どんな質問のために来たのかはわかりません。

一方、ChatGPT Atlas・Perplexity Comet・Claude in Chromeは、どれだけログを掘っても見つかりません。ChromeのUAと完全に一致するため、フィルタリングのしようがないからです。実態として、AIブラウザ経由の訪問はゼロカウントになります。

「AIエージェントからのアクセスがゼロ」というログ上の数字は、実際にゼロとは限りません。識別できないエージェントが来ていても、記録には残らないだけです。

まとめ——識別できるものだけでも、把握する意味がある

現状は4勝3敗。識別できる4種類、できない3種類です。

AIエージェントの訪問を整理すると、現時点では以下のようになります。

エージェント名 運営 識別可否 確認方法
ChatGPT-User OpenAI ✓ 識別できる サーバーログ grep
Claude-User Anthropic ✓ 識別できる サーバーログ grep
Perplexity-User Perplexity ✓ 識別できる サーバーログ grep
Google-Agent Google ✓ 識別できる サーバーログ grep
ChatGPT Atlas OpenAI ✗ 識別できない 現状なし
Perplexity Comet Perplexity ✗ 識別できない 現状なし
Claude in Chrome Anthropic ✗ 識別できない 現状なし

識別できないエージェントが3種類いる現実は変えられません。ただ、識別できる4種類をきちんと計測するだけでも、サイトへのAIエージェント流入の実態がかなり見えてきます。

特にGoogle-Agentは2026年3月20日に追加されたばかりです。今すぐログにフィルターを仕込んでおけば、ロールアウトが進んだときに初期データから追えます。早めに計測を始めることに意味があります。

AIエージェントがサイトを「使いに来る」時代は、もう始まっています。来ていることに気づけるかどうかが、次のAI可視性管理の起点になります。

ログ確認が難しい場合は、AI観測ラボの診断ツールも活用してみてください。クローラー種別ごとのアクセス状況をダッシュボードで確認できます。

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