AIエージェントのUser-Agentまとめ—識別できる4種・Chromeに化ける3種
2026年3月20日、Googleが新しいUser-Agent Google-Agent を追加しました。ChatGPT-UserやClaude-Userと同じく、ユーザーの指示でサイトを訪問したときに名乗るAIエージェントです。
現状、サーバーログから識別できるAIエージェントは4種類だけ。ChatGPT AtlasやPerplexity CometはChromeと同じUAで来るため、ログを見ても人間のアクセスと区別できません。
つまり「AIエージェントの訪問ゼロ」と思っていても、実は来ている可能性があります。本記事では識別できる4種のUA実例とgrep方法、識別できない3種の構造的理由を7分で解説します。
この記事でわかること|📖:約7分
- AIエージェントの訪問がクローラーと何が違うのか
- サーバーログで識別できる4種類のUser-Agentと実際の文字列
- ChatGPT Atlas・Perplexity Comet・Claude in Chromeが識別できない構造的な理由
- サーバーログで今日からできる確認方法
AIエージェントの訪問は、クローラーと何が違うのか
サーバーログを見ていると、GPTBotやClaudeBotといった名前が定期的に現れます。これらは学習用クローラーで、OpenAIやAnthropicが自社のAIモデルを改善するためにバックグラウンドで自動巡回しています。ユーザーの操作とは無関係に、24時間動き続けています

AIエージェントの訪問は、仕組みがまったく異なります。誰かが「このサイトを調べて」「ここの料金を確認して」と指示したときだけ動きます。
はじめてエージェントがサイトにアクセスし、ユーザーの行動に紐づいたリアルタイムのフェッチが発生します。
識別の鍵は、User-Agentにある
AIエージェントがサイトに来たとき、サーバーログに残る情報は人間のアクセスとほぼ同じです。IPアドレス・タイムスタンプ・アクセスしたURL・そしてUser-Agent(UA)。このうち、エージェントの正体を教えてくれるのはUser-Agentだけです。
IPアドレスで判定しようとすると、すぐに限界が来ます。ChatGPT-UserはAzureのIPから来ますが、AzureのIPはChatGPT-User以外のサービスも大量に使っています。
「AzureのIPだからChatGPT-Userだ」という判定は誤検知だらけになります。以前の記事(AIクローラーはIPで判定するな——User-Agentを使うべき理由)でも詳しく解説しています。
現時点でサーバーログから識別できるAIエージェントのUAは、4種類確認されています。
User-Agentは、アクセスしてきたプログラムが自分で名乗る文字列です。たとえばChatGPT-Userなら、ログに以下のような文字列が残ります。
Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko); compatible; ChatGPT-User/1.0; +https://openai.com/bot
「ChatGPT-User」という文字列が含まれているので、grepで一発で拾えます。識別できるかどうかは、このUser-Agentにエージェント固有の文字列が含まれているかどうかだけで決まります。
識別できる4種類——サーバーログで捕捉できるAIエージェント
現時点でUser-Agentに固有の文字列を持つAIエージェントは4種類です。サーバーログをgrepすれば来訪を確認できます。
| エージェント名 | 運営 | UA文字列(一部) | robots.txt |
|---|---|---|---|
| ChatGPT-User | OpenAI | ChatGPT-User/1.0 |
適用外 |
| Claude-User | Anthropic | Claude-User/1.0 |
適用外 |
| Perplexity-User | Perplexity | Perplexity-User/1.0 |
適用外 |
| Google-Agent | compatible; Google-Agent |
適用外 |
学習クローラー(GPTBot・ClaudeBot)はrobots.txtを遵守しますが、エージェントはユーザーの代理として動くため、ブラウザと同じ扱いになります。robots.txtでブロックしても、エージェントの訪問は止まりません。
ChatGPT-User
ユーザーがChatGPTの会話中にURLを貼ったり、ウェブ検索を指示したりしたときに来ます。IPはAzureからで毎回異なりますが、UAに
ChatGPT-User/1.0が含まれるため確実に識別できます。
実測データは誰かがChatGPTにURLを貼った——サーバーログで見えた正体で公開しています。
Claude-User
ClaudeがウェブをリアルタイムでフェッチするときのUAです。ClaudeBotが学習目的のバックグラウンドクローラーであるのに対し、Claude-Userはユーザーの質問に答えるためにリアルタイムでページを取得します。
詳しくはClaude-SearchBotとは?ClaudeBot・Claude-Userとの違いとrobots.txt設定をご覧ください。
Perplexity-User
Perplexityがユーザーのクエリにリアルタイムで答えるときに使うUAです。定期クロール用のPerplexityBotとは別物で、ユーザーが特定のURLを指定して質問したときなどに来ます。Perplexityのクローラー全体の挙動はPerplexityにサイトを読まれるには——クロール実測でわかったことでまとめています。
Google-Agent
2026年3月20日にGoogleが公式ドキュメントに追加したばかりの新しいUAです。Project Marinerをはじめ、Googleインフラ上で動くAIエージェントがユーザーの指示でサイトを訪問するときに名乗ります。
GooglebotとはIPレンジのファイルも別(user-triggered-agents.json(Google公式IPリスト))で、robots.txtの適用外です。現時点では来訪数はまだ限定的ですが、ロールアウトが進むにつれて増えていきます。
識別できない3種類——来ていても気づけないAIエージェント
AIブラウザ型のエージェントは、User-Agentに固有の文字列を持ちません。ChromeやSafariと同じUAで来るため、サーバーログを見ても人間のアクセスと区別がつきません。識別できない理由は下記の2つのパターンに分かれます。
パターン①:UA偽装なし。素のChromeとして来る
ChatGPT AtlasとPerplexity Cometは、ChromiumをベースにしたAIブラウザです。通常のChromeと同じUser-Agentでアクセスしてくるため、サーバーログ上では普通のChrome利用者と区別がつきません。
ChatGPT AtlasのUAはこうなります。
Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36
最新のmacOS版Chromeと完全に一致します。「Atlas」という文字列はどこにも含まれていません。
「Atlas」や「Comet」「Claude」といった文字列はUA内のどこにも含まれないため、grepでフィルタリングする手段がありません。
Perplexity Cometも同様です。
Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36
OSが違うだけで、やはり識別子はありません。Cometはブラウザ拡張機能がエージェント動作を制御しており、DevToolsレベルでは内部ファイル(overlay.jsなど)が確認できますが、サーバーログには何も残りません。
パターン②で解説するClaude in Chromeも含め、計3種類がサーバーログでは捕捉不能です。
パターン②:拡張機能型でUAはChromeのまま
Claude in ChromeはAnthropicが提供するChrome拡張機能です。ブラウザそのものはChromeなので、サーバーログに残るUser-AgentはChromeそのものになります。エージェントが動いているかどうかは、拡張機能がブラウザ内部で制御しているため、サーバー側からは一切見えません。
Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/141.0.0.0 Safari/537.36
これも通常のChromeと全く同じです。拡張機能の情報はUAに含まれません。
パターン①との違いは、アーキテクチャにあります。ChatGPT AtlasはChromiumをフォークして独自ブラウザを作っています。Claude in ChromeはChromeをそのまま使い、拡張機能としてエージェント機能を追加しています。どちらもサーバーログには普通のChromeアクセスとしか記録されません。
| エージェント名 | 運営 | アーキテクチャ | サーバーログ上のUA |
|---|---|---|---|
| ChatGPT Atlas | OpenAI | Chromiumフォーク(独自ブラウザ) | ChromeのUAそのまま |
| Perplexity Comet | Perplexity | Chromiumフォーク(独自ブラウザ) | ChromeのUAそのまま |
| Claude in Chrome | Anthropic | Chrome拡張機能 | ChromeのUAそのまま |
3種類とも結果は同じです。来ていても、サーバーログを見るだけでは気づけません。
サーバーログで実際に何が見えるか・見えないか
識別できる4種類のエージェントは、サーバーログをgrepするだけで確認できます。ConoHa WINGのログであれば以下のコマンドで拾えます。
grep -iE "chatgpt-user|claude-user|perplexity-user|google-agent" access.log
見つからないのはChatGPT Atlas、Perplexity Comet、Claude in Chromeの3種類です。
ログに残る内容はIPアドレス・タイムスタンプ・アクセスURL・UAの4点だけです。「どのページに来たか」「何時に来たか」はわかります。ただし、何人のユーザーの指示で来たのか、どんな質問のために来たのかはわかりません。
一方、ChatGPT Atlas・Perplexity Comet・Claude in Chromeは、どれだけログを掘っても見つかりません。ChromeのUAと完全に一致するため、フィルタリングのしようがないからです。実態として、AIブラウザ経由の訪問はゼロカウントになります。
「AIエージェントからのアクセスがゼロ」というログ上の数字は、実際にゼロとは限りません。識別できないエージェントが来ていても、記録には残らないだけです。
まとめ——識別できるものだけでも、把握する意味がある
現状は4勝3敗。識別できる4種類、できない3種類です。
AIエージェントの訪問を整理すると、現時点では以下のようになります。
| エージェント名 | 運営 | 識別可否 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT-User | OpenAI | ✓ 識別できる | サーバーログ grep |
| Claude-User | Anthropic | ✓ 識別できる | サーバーログ grep |
| Perplexity-User | Perplexity | ✓ 識別できる | サーバーログ grep |
| Google-Agent | ✓ 識別できる | サーバーログ grep | |
| ChatGPT Atlas | OpenAI | ✗ 識別できない | 現状なし |
| Perplexity Comet | Perplexity | ✗ 識別できない | 現状なし |
| Claude in Chrome | Anthropic | ✗ 識別できない | 現状なし |
識別できないエージェントが3種類いる現実は変えられません。ただ、識別できる4種類をきちんと計測するだけでも、サイトへのAIエージェント流入の実態がかなり見えてきます。
特にGoogle-Agentは2026年3月20日に追加されたばかりです。今すぐログにフィルターを仕込んでおけば、ロールアウトが進んだときに初期データから追えます。早めに計測を始めることに意味があります。
AIエージェントがサイトを「使いに来る」時代は、もう始まっています。来ていることに気づけるかどうかが、次のAI可視性管理の起点になります。
ログ確認が難しい場合は、AI観測ラボの診断ツールも活用してみてください。クローラー種別ごとのアクセス状況をダッシュボードで確認できます。
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