実装・技術解説 2026.04.09 14 min read

BingbotはCopilotのために毎日来ていた—7日間353件の実測データで見えた挙動

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OBS-LOG / 2026.04.09
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GPTBotやClaudeBotは、ある日まとめてクロールして、しばらく来ないという動き方をします。ところがBingbotは違いました。7日間、毎日欠かさず、朝も夜も均等に訪問し続けていたのです。

2026年現在、MicrosoftはWindowsへのCopilot統合を大幅に縮小しています。Settings・File Explorer・Notepadへの組み込みは開発中止となり、Copilotの実装方針は迷走を続けています

但し一点だけ変わっていないことがあります。

BingbotとCopilotは今も同じ検索インデックスを共有しており、BingbotがクロールしたデータがそのままCopilotの回答の材料になる構造は、設計当初から変わっていません。

3月24日から30日までの7日間、353件のBingbotアクセスをサーバーログで実測しました。時間帯・IPレンジ・訪問ページの傾向を分析すると、Copilotのインデックスを絶えず最新に保つための設計が見えてきました。

この記事でわかること|📖:約6分

  • BingbotがGPTBot・ClaudeBotと根本的に設計が異なる理由
  • 7日間353件の実測データで見えた時間帯・IPレンジ・訪問ページの傾向
  • BingbotとCopilotが同じインデックスを共有する仕組み
  • Copilotに引用されるためにBingbotに対してやるべきこと

BingbotはBing検索とCopilotを兼ねる唯一のクローラー

Bingbotは、MicrosoftのBing検索エンジンがウェブ上のページを収集するために動かしているクローラーです。ユーザーエージェント名はbingbot/2.0で、IPレンジはMicrosoftが管理するAzureのサーバー群から発信されます。

ここで重要なのは、BingbotがBing検索のインデックス構築だけを担っているわけではないという点です。CopilotはBingの検索インデックスを回答の情報源として使っています。つまりBingbotがクロールしたデータが、そのままCopilotの回答の材料になります

GPTBotはOpenAIのAI学習・検索用クローラーで、ChatGPT searchには別途OAI-SearchBotが存在します。ClaudeBotはAnthropicのAI学習用クローラーで、Claude-SearchBotが検索インデックス用として独立しています。どちらも役割ごとにクローラーが分かれています。

一方でBingbotはBing検索とCopilotの両方を、単一のクローラーで賄う設計です。Bingbotを拒否すると、Bing検索からの流入が消えるだけでなく、Copilotに引用される機会・可能性も同時に失います

BingbotとCopilotのインデックス共有の仕組みを示す図解
BingbotがクロールしたデータはBing検索インデックスに格納され、CopilotはそのインデックスをRAGの情報源として利用する

7日間353件——実測データで見えたBingbotの挙動

3月24日から30日までの7日間、blog.ai-kansoku.comのサーバーログからBingbotのアクセスを抽出しました。抽出に使ったコマンドは以下のとおりです。

grep -i "bingbot" access_log | grep -v "wp-\|\.xml\|\.txt\|sitemap\|robots\|\.css\|\.js\|\.webp\|\.png\|\.jpg\|/feed\|xmlrpc\|embed\|wp-json"

毎日安定して訪問——7日間の推移

7日間の合計アクセス数は353件で、1日あたり39〜70件の範囲で推移しました。GPTBotやClaudeBotのように「ある日だけ大量に来て翌日ゼロ」という波がなく、毎日コンスタントに訪問し続けていました。

3月24日から30日までの7日間のBingbotアクセス件数推移グラフ
7日間を通じて毎日39〜70件のアクセスが記録された。特定の日だけ突出する傾向はなく、安定したクロールパターンを示している

24時間均等分散——時間帯の傾向

GPTBotは深夜から早朝にかけて集中する傾向がありますが、Bingbotは朝・昼・夜を問わず均等にアクセスしていました。特定の時間帯に集中するピークがなく、24時間を通じてほぼ一定のペースでクロールを続けています。

検索エンジンのインデックスを常に最新の状態に保つためには、更新されたページをなるべく早く検出する必要があります。24時間均等分散というパターンは、更新の検出漏れをなくすための設計だと考えられます。

IPレンジは3種類から並列クロール

アクセス元のIPアドレスを整理すると、以下の3つのレンジからアクセスがありました。

  • 40.77.167.x
  • 52.167.144.x
  • 207.46.13.x

いずれもMicrosoftが管理するAzureのIPレンジです。3つのレンジから同時並列でクロールしており、単一のIPから順番にアクセスするのではなく、複数のサーバーを使って効率よく収集していることがわかります

なおIPアドレスだけでBingbotを判定しようとすると、レンジ外からの偽装クローラーを誤検知する可能性があります。User-Agentと組み合わせて判定するのが安全です。

最多訪問ページはゼロクリック・広告系の記事

訪問回数の多かったページ上位は以下のとおりです。

どちらもAI検索やCopilotのユーザーが実際に調べそうなトピックを扱った記事です。Bingbotが単純にサイト全体を均等にクロールするのではなく、Copilotの回答需要が高いトピックを優先している可能性があります。

image.ai-kansoku.comへの訪問はゼロ

画像専用のサブドメイン(image.ai-kansoku.com)へのBingbotのアクセスは7日間でゼロでした。Bingbotはテキストコンテンツを含むHTMLページを専門にクロールしており、画像ファイルだけを配信するサブドメインには訪問しない傾向があります。

GPTBot・ClaudeBotと何が違うのか——クローラー設計の比較

Bingbotの挙動を他のAIクローラーと比較すると、設計思想の違いがはっきり見えてきます。

クロールパターンの違い

GPTBotとClaudeBotは「定点観測型」と呼べる動き方をします。

一定期間ごとにまとめてクロールし、収集が終わるとしばらく来なくなります。AIモデルの学習データ収集やインデックス更新を、バッチ処理的にこなす設計です。

一方でBingbotは「常時監視型」と呼べる動き方をします。

毎日欠かさず、24時間均等に訪問し続けます。Bing検索の検索結果とCopilotの回答を常に最新の状態に保つために、更新されたページをリアルタイムに近い形で検出し続ける必要があるためだと考えられます。

Bingbot・GPTBot・ClaudeBotのクロールパターン比較図
定点観測型のGPTBot・ClaudeBotに対して、Bingbotは24時間均等分散の常時監視型という対照的な設計になっている

役割の違い

3つのクローラーを役割で整理すると以下のようになります。

クローラー 運営 主な役割 クロールパターン
Bingbot Microsoft Bing検索インデックス・Copilot情報源 24時間均等・毎日安定
GPTBot OpenAI AIモデル学習データ収集 特定時間帯に集中・波あり
ClaudeBot Anthropic AIモデル学習データ収集 特定時間帯に集中・波あり

GPTBotとClaudeBotは学習データの収集が主な目的のため、頻繁にクロールし続ける必要がありません。一方でBingbotはリアルタイムの検索結果とCopilotの回答品質を維持するために、常にウェブの最新状態を把握し続ける必要があります。

毎日・24時間均等というパターンは、この設計上の要件から来ていると考えられます

Copilotに引用されるためにBingbotに対してやること

Bingbotが毎日クロールし続けているということは、サイト側の設定が正しければ、更新したページが比較的早くCopilotの回答に反映される可能性があります。逆に設定が間違っていると、毎日来ているのに引用されないという状況が続きます。確認すべき項目を整理していきましょう。

robots.txtでBingbotを拒否していないか確認する

Bingbotを拒否すると、Bing検索からの流入とCopilotへの引用が同時に失われます。robots.txtに以下のような記述がないか確認してください。

User-agent: bingbot
Disallow: /

拒否している場合は該当の行を削除します。Bingbotのユーザーエージェント名は小文字のbingbotです。大文字・小文字を区別するサーバー環境もあるため、表記を統一しておくのが安全です。

Bing Webmaster Toolsにサイトを登録する

Bing Webmaster Toolsにサイトを登録すると、Bingbotのクロール状況・インデックス状況・Copilotでの引用パフォーマンスを確認できます。Google Search Consoleでサイト所有権を確認済みであれば、Bing Webmaster Toolsでも自動的に認証が通る仕組みになっています。

登録後はサイトマップを送信しておきます。サイトマップを送信することで、Bingbotが新しいページや更新されたページを発見しやすくなります。Bing Webmaster Toolsの登録手順はBing Webmaster Tools(外部リンク)から確認できます。

robots metaタグを確認する

robots.txtでBingbotを許可していても、各ページのheadタグ内に以下のような記述があるとインデックスされません。

<meta name="robots" content="noindex">

WordPressの場合、Yoast SEOの「検索エンジンに表示しない」設定が意図せずオンになっているケースがあります。公開済みの重要ページは必ず確認しておきましょう。robots metaタグの詳細な確認方法は「AIに引用されたいのに、設定が抜けていた」で解説しています。

HTMLで本文を直接出力する

JavaScriptで動的にコンテンツを生成するSPAサイトは、Bingbotに本文が読まれないケースがあります。Bingbotは基本的にHTMLを直接読む設計のため、サーバーサイドレンダリング(SSR)またはスタティックなHTMLで本文を出力することが重要です。ノーコードツールやSPAサイトのAI可視性については「Studioで作ったサイト、AIに読まれていますか?」で詳しく解説しています。

Bingbotは拒否すべきか——2026年視点での答え

「Bingbotはクロール頻度が多すぎるから拒否すべき」という記事が検索すると度々目にします。これらの記事の多くは2013〜2015年頃に書かれたものです。当時はCopilotが存在せず、Bingの検索シェアも低かったため、Bingbotを拒否してもデメリットが小さかった時代の話です。

2026年現在、状況は変わっています。BingbotはBing検索とCopilotの両方のインデックス構築を兼ねています。Bingbotを拒否すると以下の2つを同時に失います。

  • Bing検索からの流入
  • CopilotのRAGによる引用の可能性

Copilot SearchはBingの検索インデックスをそのまま情報源として使っています。GPTBotやClaudeBotとは異なり、Bingbot専用の「AI引用だけ許可・検索インデックスは拒否」という設定はできません。BingbotはBing検索とCopilotが完全に一体化した設計だからです。

サーバー負荷が心配な場合は、拒否ではなくBing Webmaster Toolsのクロール制御でアクセス頻度を調整するのが正しい対処です。robots.txtのCrawl-delayディレクティブでも間隔を指定できます。

User-agent: bingbot
Crawl-delay: 10

この記述でBingbotのクロール間隔を10秒に設定できます。クロール自体は許可したまま、サーバーへの負荷だけを軽減できます。AIクローラーの許可・拒否設定の全体像については「AIクローラーを拒否する前に知っておくべきこと」で詳しく解説しています。

まとめ——Bingbotは静かに、毎日来ている

7日間のサーバーログを実測した結果をまとめます。

  • 7日間合計353件、毎日39〜70件の安定したクロールが続いた
  • GPTBot・ClaudeBotと異なり、24時間均等分散型のクロールパターンを持つ
  • IPレンジは40.77.167.x52.167.144.x207.46.13.xの3レンジから並列クロール
  • 最多訪問はAI検索需要の高いトピックの記事に集中していた
  • 画像専用サブドメインへの訪問はゼロで、HTMLページに専念している

GPTBotやClaudeBotが波のある動き方をするのに対して、Bingbotは毎日・24時間・均等にクロールし続けます。Bing検索とCopilotのインデックスを常に最新に保つための設計が、このパターンに表れています。

Copilotの実装方針は2026年現在も迷走を続けていますが、BingbotによるWebクロールとインデックス構築は変わらず動き続けています。派手な発表や機能追加とは無関係に、Bingbotは今日もサイトを訪問し続けています。

サイト運営者にとって重要なのは、Bingbotを正しく受け入れる設定を整えておくことです。robots.txtでの拒否設定がないか・robots metaタグが正しく設定されているか・Bing Webmaster Toolsにサイトマップを送信しているか、この3点を確認しておきましょう。

次回は実測データをもとに、BingbotとGooglebotのクロールパターンを比較する予定です。AIクローラーの観測データは「AIクローラーとは?」からまとめて確認できます。

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