AI実験室 2026.03.25 12 min read

XもInstagramもAIに読まれていない—SNS4社のHTMLソースを比べてみた【AI実験室 #08】

X・Instagram・Note・YouTubeのHTMLソースを比較。AIクローラーに投稿内容が届いているプラットフォームと届いていないプラットフォームの違いを解説
OBS-LOG / 2026.03.25
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「毎日Xに投稿しているのに、AIに紹介されたことが一度もない」

上記のように感じたことはないでしょうか。

実は、原因はフォロワー数でも投稿の質でもないかもしれません。AIクローラーは、そもそもXの投稿を「読める状態」にないことが多いからです。

AI観測ラボを運営するもとひろのXアカウントとNoteアカウントのHTMLソースを実際に比較したところ、プラットフォームによってAIへの「見え方」がまったく異なることが観測期間中に確認できました。

この記事では、X・Instagram・Note・YouTubeのHTMLソースを実際に見ながら、なぜSNSごとにAIへの届き方が変わるのかを解説します。

この記事でわかること|📖:約7分

  • AIクローラーがHTMLしか読めない理由
  • XとInstagramの投稿がAIにほぼ見えていない構造的な理由
  • NoteがAIに読まれやすい理由とSSRの仕組み
  • YouTubeだけが「例外」になる理由

毎日投稿しているのに、AIには存在しないも同然かもしれない

ChatGPTやPerplexityに「○○について詳しい人を教えて」と聞いたとき、名前が出てくる人と出てこない人がいます。

違いはフォロワー数でしょうか。投稿の頻度でしょうか。

どちらも関係はありますが、もっと根本的な問題があります。それは「AIがそのページのHTMLを取得したとき、投稿内容がそこに存在するかどうか」です。

AIクローラーはHTMLの中身しか読めない——コンテンツが存在するページと空のページの違い
AIクローラーが取得するのはサーバーから届いた生のHTMLのみ。ブラウザで見えている画面とは別物です。

AIクローラーは、人間がブラウザで見ているページをそのまま読んでいるわけではありません。サーバーから届いた生のHTMLだけを取得して、そこに書かれているテキストを読んでいます。

つまり、どれだけ丁寧な投稿をしていても、HTMLの中に文章が存在しなければ、AIにとってそのページは「空っぽ」です。

AI観測ラボのXアカウントとNoteアカウントで実際にソースを確認したところ、同じ「テキストを投稿するプラットフォーム」でも、AIへの見え方はまったく異なっていました。

AIクローラーはHTMLしか読めない——まずここを押さえる

AIクローラーがどうやってWebページを読んでいるか、簡単に説明します。

ブラウザでページを開くとき、裏側では2つの処理が起きています。

1つ目は「サーバーからHTMLを受け取る」こと。2つ目は「そのHTMLをもとにJavaScriptを動かして、画面を組み立てる」ことです。

人間がブラウザで見ているのは、この2つが終わった後の完成した画面です。

ところがAIクローラーは、1つ目のHTMLを受け取った時点で処理を止めます。JavaScriptを動かして画面を組み立てる、という2つ目の処理をしません。

これは実験的にも確認されており、AIクローラーの挙動を検証した記事でも同様の結果が観測されています。

ブラウザはJavaScriptを実行して画面を完成させるが、AIクローラーはHTMLを取得した時点で処理を止める
ブラウザとAIクローラーの処理の違い。AIクローラーはJavaScriptを実行しないため、SPAのコンテンツは見えません。

ここで重要になるのが、WebサイトがどうやってHTMLを作っているかという仕組みの違いです。大きく2種類あります。

SPA(シングルページアプリケーション)

最初にサーバーから届くHTMLはほぼ空っぽで、その後JavaScriptが動いてコンテンツを画面に表示する仕組みです。XやInstagramはこの方式を採用しています。

AIクローラーはJavaScriptを動かさないので、最初の空っぽのHTMLしか受け取れません。結果として、投稿内容が見えない状態になります。

SSR(サーバーサイドレンダリング)

サーバーがHTMLを作る段階で、すでにコンテンツをHTMLの中に埋め込んでおく仕組みです。NoteはNext.jsというフレームワークを使ったSSR方式を採用しています。

AIクローラーが最初に受け取るHTMLの中に、すでに記事の本文が存在しています。そのままテキストを読むことができます。

SPAは最初のHTMLが空っぽでJavaScriptがコンテンツを組み立てる。SSRはサーバーがHTMLにコンテンツを埋め込んで届ける
SPAとSSRの仕組みの違い。AIクローラーに読まれるかどうかは、この違いで決まります。

Xのソースを開いたら、投稿内容がどこにもなかった

実際にXのページのHTMLソースを確認してみました。

ブラウザでXの投稿ページを開き、アドレスバーの先頭に「view-source:」と入力すると、サーバーから届いた生のHTMLを確認できます。AIクローラーが受け取っているのも、このHTMLです。

確認したのはAI観測ラボのXアカウント(@ai_kansoku)の投稿ページです。結果はこうでした。

Xの投稿ページのHTMLソース。投稿内容のテキストが存在せず、CSSとJavaScriptの読み込みコードのみが確認できる
AI観測ラボのXアカウントページのHTMLソース。表示されているのはCSSとJavaScriptのコードのみで、投稿本文のテキストはどこにも存在しませんでした。

投稿本文はHTMLの中に存在しませんでした。確認できたのはJavaScriptファイルの読み込みコードと、ごくわずかなメタ情報のみです。

ブラウザで見ると投稿内容はちゃんと表示されています。しかしそれはJavaScriptが動いて画面を組み立てた結果であり、HTMLの中にもともと存在していたわけではありません。

AIクローラーにとって、このページは「テキストのない空のページ」として処理されます。どれだけ丁寧な投稿をしていても、AIクローラーが受け取るHTMLには何も書かれていないのです。

なお、XはGrokという自社AIを持っており、Xのデータには別ルートでアクセスできる可能性があります。ただしGPTBotやClaudeWebといった外部のAIクローラーに対しては、観測期間中この構造が確認されました。

Instagramも同じだった——SPAの壁

次にInstagramのページでも同じ確認をしました。

AI観測ラボのInstagramアカウントの投稿ページで「view-source:」を使って生のHTMLを確認したところ、Xとほぼ同じ結果でした。

InstagramのページのHTMLソース。投稿内容のテキストが存在せず、JavaScriptの読み込みコードのみが確認できる
AI観測ラボのInstagramページのHTMLソース。XのHTMLソースと同様に、投稿本文のテキストは存在しませんでした。

投稿内容はHTMLの中に存在せず、確認できたのはJavaScriptの読み込みコードのみでした。

XとInstagramはどちらもReactで作られたSPAです。ユーザーがページを開いたあとにJavaScriptが動いてコンテンツを画面に組み立てる仕組みのため、サーバーから最初に届くHTMLにはコンテンツがほぼ入っていません。

2つのプラットフォームを並べると、構造の共通点がよくわかります。

プラットフォーム 技術構成 HTMLに投稿内容 AIクローラーから見える
X SPA(React) なし ❌ 見えない
Instagram SPA(React) なし ❌ 見えない
Note SSR(Next.js) あり ✅ 見える
YouTube SPA(独自) ほぼなし △ 別ルートで届く

どちらのプラットフォームも、AIクローラーが受け取るHTMLには投稿内容が存在しません。毎日投稿していても、AIにとってはどちらも「空のページ」として処理されます。

ではNoteはどうでしょうか。

NoteはAIに読まれていた——SSRの差

同じようにAI観測ラボのNoteアカウントの記事ページでHTMLソースを確認しました。

結果はXやInstagramとまったく異なりました。

NoteのページのHTMLソース。記事本文のテキストがHTMLの中に存在していることが確認できる
AI観測ラボのNoteページのHTMLソース。XやInstagramとは異なり、記事本文のテキストがHTMLの中にそのまま存在していました。

HTMLの中に記事本文のテキストがそのまま存在していました。AIクローラーがこのページを取得した時点で、すでにコンテンツを読める状態になっています。

NoteはNext.jsというフレームワークを使ったSSR方式を採用しています。サーバーがHTMLを生成する段階で記事の本文をHTMLに埋め込んで届けるため、JavaScriptを実行しなくてもコンテンツが存在しています。

XやInstagramと比べると、AIクローラーへの届き方がまったく異なることがわかります。同じ「テキストを投稿するSNS」でも、技術的な仕組みの違いがAIへの見え方を大きく左右します。

ではYouTubeはどうでしょうか。YouTubeはSPAでありながら、AIに引用されるケースが多くあります。なぜでしょうか。

YouTubeだけが例外だった——「見えない」のに引用される理由

YouTubeはXやInstagramと同じSPAです。HTMLソースを確認しても、動画のタイトルや説明文がHTMLの中に存在しないケースがほとんどです。

それなのに、ChatGPTやPerplexityがYouTubeの動画を引用するケースは珍しくありません。

なぜでしょうか。

YouTubeには、HTMLとは別のルートでAIにコンテンツが届く仕組みがあります。大きく3つです。

①字幕テキスト

YouTubeの動画には字幕データが存在します。字幕は動画とは別にテキストファイルとして管理されており、AIクローラーがこのテキストデータを取得できるケースがあります。話した内容がそのままテキストとしてAIに届きます。

②Google検索インデックス

YouTubeはGoogleの子会社です。Googleの検索インデックスにはYouTubeの動画タイトル・説明文・字幕などが大量に蓄積されています。AI検索がこのインデックスを参照することで、HTMLを直接クロールしなくてもコンテンツにアクセスできます。

③YouTube Data API

YouTubeは公式のAPIを公開しており、動画のタイトルや説明文・字幕などをテキストとして取得できます。AIがこのAPIを経由してコンテンツにアクセスするルートも存在します。

YouTubeからAIにコンテンツが届く3つのルート。字幕テキスト・Google検索インデックス・YouTube Data API
YouTubeはSPAでHTMLにコンテンツがなくても、3つの別ルートでAIにコンテンツが届きます。

つまりYouTubeは、HTML構造の問題をGoogleという親会社の資産と公式APIで回避しています。同じSPAでも、XやInstagramとはまったく異なる状況です。

この事実は、AIへの届き方が「HTML構造だけで決まるわけではない」ということを示しています。プラットフォームが持つインフラや、Googleとの関係性が大きく影響しています。

発信の場所によって、AIへの届き方はまったく違う

今回の観測結果をまとめます。

XとInstagramは、どちらもSPAという技術構成のため、AIクローラーが受け取るHTMLの中に投稿内容が存在しませんでした。毎日投稿していても、外部のAIクローラーにとってはほぼ「空のページ」として処理されます。

NoteはSSRという技術構成のため、AIクローラーが受け取るHTMLの中にすでに記事本文が存在していました。投稿した内容がそのままAIに届きます。

YouTubeはSPAでありながら、字幕テキスト・Google検索インデックス・Data APIという3つの別ルートでAIにコンテンツが届きます。HTML構造の問題を、Googleという親会社の資産で回避しています。

この結果が示すのは、「どこで発信するか」がAIへの届き方に直結するということです。同じ内容を投稿しても、プラットフォームの技術構成によってAIへの見え方はまったく変わります。

XやInstagramでの発信をAIに届けたい場合、プロフィールや固定投稿の一部はメタ情報としてHTMLに含まれるケースもあります。ただし投稿本文については、観測期間中AIクローラーから読める状態にはありませんでした。

AI検索が普及するなかで、発信チャネルの選択はこれまで以上に重要になっています。「ブラウザで見えている」「AIに読まれている」は、まったく別の話です。

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