XもInstagramもAIに読まれていない—SNS4社のHTMLソースを比べてみた【AI実験室 #08】
「毎日Xに投稿しているのに、AIに紹介されたことが一度もない」
上記のように感じたことはないでしょうか。
実は、原因はフォロワー数でも投稿の質でもないかもしれません。AIクローラーは、そもそもXの投稿を「読める状態」にないことが多いからです。
AI観測ラボを運営するもとひろのXアカウントとNoteアカウントのHTMLソースを実際に比較したところ、プラットフォームによってAIへの「見え方」がまったく異なることが観測期間中に確認できました。
この記事では、X・Instagram・Note・YouTubeのHTMLソースを実際に見ながら、なぜSNSごとにAIへの届き方が変わるのかを解説します。
この記事でわかること|📖:約7分
- AIクローラーがHTMLしか読めない理由
- XとInstagramの投稿がAIにほぼ見えていない構造的な理由
- NoteがAIに読まれやすい理由とSSRの仕組み
- YouTubeだけが「例外」になる理由
毎日投稿しているのに、AIには存在しないも同然かもしれない
ChatGPTやPerplexityに「○○について詳しい人を教えて」と聞いたとき、名前が出てくる人と出てこない人がいます。
違いはフォロワー数でしょうか。投稿の頻度でしょうか。
どちらも関係はありますが、もっと根本的な問題があります。それは「AIがそのページのHTMLを取得したとき、投稿内容がそこに存在するかどうか」です。

AIクローラーは、人間がブラウザで見ているページをそのまま読んでいるわけではありません。サーバーから届いた生のHTMLだけを取得して、そこに書かれているテキストを読んでいます。
つまり、どれだけ丁寧な投稿をしていても、HTMLの中に文章が存在しなければ、AIにとってそのページは「空っぽ」です。
AI観測ラボのXアカウントとNoteアカウントで実際にソースを確認したところ、同じ「テキストを投稿するプラットフォーム」でも、AIへの見え方はまったく異なっていました。
AIクローラーはHTMLしか読めない——まずここを押さえる
AIクローラーがどうやってWebページを読んでいるか、簡単に説明します。
ブラウザでページを開くとき、裏側では2つの処理が起きています。
1つ目は「サーバーからHTMLを受け取る」こと。2つ目は「そのHTMLをもとにJavaScriptを動かして、画面を組み立てる」ことです。
人間がブラウザで見ているのは、この2つが終わった後の完成した画面です。
ところがAIクローラーは、1つ目のHTMLを受け取った時点で処理を止めます。JavaScriptを動かして画面を組み立てる、という2つ目の処理をしません。
これは実験的にも確認されており、AIクローラーの挙動を検証した記事でも同様の結果が観測されています。

ここで重要になるのが、WebサイトがどうやってHTMLを作っているかという仕組みの違いです。大きく2種類あります。
SPA(シングルページアプリケーション)
最初にサーバーから届くHTMLはほぼ空っぽで、その後JavaScriptが動いてコンテンツを画面に表示する仕組みです。XやInstagramはこの方式を採用しています。
AIクローラーはJavaScriptを動かさないので、最初の空っぽのHTMLしか受け取れません。結果として、投稿内容が見えない状態になります。
SSR(サーバーサイドレンダリング)
サーバーがHTMLを作る段階で、すでにコンテンツをHTMLの中に埋め込んでおく仕組みです。NoteはNext.jsというフレームワークを使ったSSR方式を採用しています。
AIクローラーが最初に受け取るHTMLの中に、すでに記事の本文が存在しています。そのままテキストを読むことができます。

Xのソースを開いたら、投稿内容がどこにもなかった
実際にXのページのHTMLソースを確認してみました。
ブラウザでXの投稿ページを開き、アドレスバーの先頭に「view-source:」と入力すると、サーバーから届いた生のHTMLを確認できます。AIクローラーが受け取っているのも、このHTMLです。
確認したのはAI観測ラボのXアカウント(@ai_kansoku)の投稿ページです。結果はこうでした。

投稿本文はHTMLの中に存在しませんでした。確認できたのはJavaScriptファイルの読み込みコードと、ごくわずかなメタ情報のみです。
ブラウザで見ると投稿内容はちゃんと表示されています。しかしそれはJavaScriptが動いて画面を組み立てた結果であり、HTMLの中にもともと存在していたわけではありません。
AIクローラーにとって、このページは「テキストのない空のページ」として処理されます。どれだけ丁寧な投稿をしていても、AIクローラーが受け取るHTMLには何も書かれていないのです。
なお、XはGrokという自社AIを持っており、Xのデータには別ルートでアクセスできる可能性があります。ただしGPTBotやClaudeWebといった外部のAIクローラーに対しては、観測期間中この構造が確認されました。
Instagramも同じだった——SPAの壁
次にInstagramのページでも同じ確認をしました。
AI観測ラボのInstagramアカウントの投稿ページで「view-source:」を使って生のHTMLを確認したところ、Xとほぼ同じ結果でした。

投稿内容はHTMLの中に存在せず、確認できたのはJavaScriptの読み込みコードのみでした。
XとInstagramはどちらもReactで作られたSPAです。ユーザーがページを開いたあとにJavaScriptが動いてコンテンツを画面に組み立てる仕組みのため、サーバーから最初に届くHTMLにはコンテンツがほぼ入っていません。
2つのプラットフォームを並べると、構造の共通点がよくわかります。
| プラットフォーム | 技術構成 | HTMLに投稿内容 | AIクローラーから見える |
|---|---|---|---|
| X | SPA(React) | なし | ❌ 見えない |
| SPA(React) | なし | ❌ 見えない | |
| Note | SSR(Next.js) | あり | ✅ 見える |
| YouTube | SPA(独自) | ほぼなし | △ 別ルートで届く |
どちらのプラットフォームも、AIクローラーが受け取るHTMLには投稿内容が存在しません。毎日投稿していても、AIにとってはどちらも「空のページ」として処理されます。
ではNoteはどうでしょうか。
NoteはAIに読まれていた——SSRの差
同じようにAI観測ラボのNoteアカウントの記事ページでHTMLソースを確認しました。
結果はXやInstagramとまったく異なりました。

HTMLの中に記事本文のテキストがそのまま存在していました。AIクローラーがこのページを取得した時点で、すでにコンテンツを読める状態になっています。
NoteはNext.jsというフレームワークを使ったSSR方式を採用しています。サーバーがHTMLを生成する段階で記事の本文をHTMLに埋め込んで届けるため、JavaScriptを実行しなくてもコンテンツが存在しています。
XやInstagramと比べると、AIクローラーへの届き方がまったく異なることがわかります。同じ「テキストを投稿するSNS」でも、技術的な仕組みの違いがAIへの見え方を大きく左右します。
ではYouTubeはどうでしょうか。YouTubeはSPAでありながら、AIに引用されるケースが多くあります。なぜでしょうか。
YouTubeだけが例外だった——「見えない」のに引用される理由
YouTubeはXやInstagramと同じSPAです。HTMLソースを確認しても、動画のタイトルや説明文がHTMLの中に存在しないケースがほとんどです。
それなのに、ChatGPTやPerplexityがYouTubeの動画を引用するケースは珍しくありません。
なぜでしょうか。
YouTubeには、HTMLとは別のルートでAIにコンテンツが届く仕組みがあります。大きく3つです。
①字幕テキスト
YouTubeの動画には字幕データが存在します。字幕は動画とは別にテキストファイルとして管理されており、AIクローラーがこのテキストデータを取得できるケースがあります。話した内容がそのままテキストとしてAIに届きます。
②Google検索インデックス
YouTubeはGoogleの子会社です。Googleの検索インデックスにはYouTubeの動画タイトル・説明文・字幕などが大量に蓄積されています。AI検索がこのインデックスを参照することで、HTMLを直接クロールしなくてもコンテンツにアクセスできます。
③YouTube Data API
YouTubeは公式のAPIを公開しており、動画のタイトルや説明文・字幕などをテキストとして取得できます。AIがこのAPIを経由してコンテンツにアクセスするルートも存在します。

つまりYouTubeは、HTML構造の問題をGoogleという親会社の資産と公式APIで回避しています。同じSPAでも、XやInstagramとはまったく異なる状況です。
この事実は、AIへの届き方が「HTML構造だけで決まるわけではない」ということを示しています。プラットフォームが持つインフラや、Googleとの関係性が大きく影響しています。
発信の場所によって、AIへの届き方はまったく違う
今回の観測結果をまとめます。
XとInstagramは、どちらもSPAという技術構成のため、AIクローラーが受け取るHTMLの中に投稿内容が存在しませんでした。毎日投稿していても、外部のAIクローラーにとってはほぼ「空のページ」として処理されます。
NoteはSSRという技術構成のため、AIクローラーが受け取るHTMLの中にすでに記事本文が存在していました。投稿した内容がそのままAIに届きます。
YouTubeはSPAでありながら、字幕テキスト・Google検索インデックス・Data APIという3つの別ルートでAIにコンテンツが届きます。HTML構造の問題を、Googleという親会社の資産で回避しています。
この結果が示すのは、「どこで発信するか」がAIへの届き方に直結するということです。同じ内容を投稿しても、プラットフォームの技術構成によってAIへの見え方はまったく変わります。
XやInstagramでの発信をAIに届けたい場合、プロフィールや固定投稿の一部はメタ情報としてHTMLに含まれるケースもあります。ただし投稿本文については、観測期間中AIクローラーから読める状態にはありませんでした。
AI検索が普及するなかで、発信チャネルの選択はこれまで以上に重要になっています。「ブラウザで見えている」と「AIに読まれている」は、まったく別の話です。
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