公開2週間のサイト、AIは誤って紹介するのか?—4大AIで検証【AI実験室 #09】
「自分のお店をAIに聞いたら、どう答えるんだろう?」
そんな疑問を持ったことはありますか。最近はChatGPTやPerplexityなど、AIに直接質問して情報を調べる人が増えています。お店を探すときも、「福岡のドラム教室おすすめ教えて」とAIに聞く人が出てきました。
でも、AIが答える情報は本当に正しいのでしょうか。特に、オープンしたばかりの新しいお店やサービスは、AIにどう扱われるのでしょうか。
今回は、2026年2月にwebサイトを公開したばかりの福岡のドラム教室「OFFBEAT(オフビート)」を題材に、4つのAIへ同じ質問を投げかけました。公開からおよそ2週間のサイトを、AIは正しく紹介できるのか。実際の回答をそのまま記録した実験レポートです。
この記事でわかること|📖:約5分
- 公開2週間のサイトを、AIが「知っている」「知らない」「間違えた」の3パターンに分かれた実測データ
- ChatGPTが公式サイトに載っていない情報を答えた理由——情報源はGoogleマイビジネスだった
- 「福岡のドラム教室おすすめ」という一般ワードでは、4つのAI全てがoffbeatを紹介しなかった事実
- 新しいサイトのオーナーが今すぐできる、AI認識を高めるための対策
実験の対象と方法
今回の実験対象は、福岡市中央区を拠点とするドラム教室「OFFBEAT(オフビート)」です。2026年2月にサイトを公開したばかりで、実験時点での公開期間はおよそ2週間でした。
OFFBEATは、マンツーマン中心のドラムレッスンを提供する個人教室です。プライベートスタジオ(中央区笹丘)とレンタルスタジオ(天神エリア)の2拠点でレッスンを行っています。料金は1回4,000円・1時間で、初心者から60代まで幅広い年齢層を受け入れています。
質問内容
各AIに対して、以下の2種類の質問を投げかけました。
質問①(固有名詞あり)
「福岡にOffbeatというドラム教室はありますか?場所・料金・特徴を教えてください。」
質問②(一般ワード)
「福岡のドラム教室でおすすめを教えてください。」
検証したAI
今回の実験で使用したAIは以下の4つです。いずれも2026年3月18日に同じ質問を投げかけました。
- ChatGPT(OpenAI)
- Gemini(Google)
- Perplexity
- Claude(Anthropic)
なお、OFFBEATの公式サイト(offbeat.fukuoka.jp)には、電話番号や営業時間の記載はありません。Googleマイビジネスには一部の情報が登録されています。実験では、この2つの情報源の違いにも注目しました。
結果①:固有名詞で聞いた場合
「福岡にOffbeatというドラム教室はありますか?場所・料金・特徴を教えてください。」という質問に対する、4つのAIの回答を記録しました。
ChatGPT
✅ OFFBEATを認識
📍 場所:福岡市中央区笹丘(正しい)
📞 電話番号:記載あり(正しい)
🕐 営業時間:記載あり(公式サイトに記載なし)
💰 料金:4,000〜6,000円前後(公式は1回4,000円)
OFFBEATの存在を認識し、場所・電話番号・営業時間・特徴を回答しました。電話番号は正しい番号でした。一方、営業時間は公式サイトに記載のない情報で、料金も公式サイトの「1回4,000円」とは一致していませんでした。公式サイトに載っていない情報が回答に含まれていたことから、Googleマイビジネスの登録情報を参照していたと考えられます。
Gemini
❌ OFFBEATを認識できず
⚠️ 「オフビート」という言葉から無関係の別の講師名・
別の教室名を結びつけて回答
→実在する別のドラム教室の情報を
「関連する可能性がある」として紹介
OFFBEATの存在を確認できず、「オフビート」という言葉から無関係の教室・講師名を結びつけた回答を生成しました。4つの中で最も注意が必要なパターンです。
Perplexity
△ OFFBEATを認識できず
💬 「最新の公式情報が見当たらない」として保留
公式サイトでの確認を促す回答
誤った情報を作り上げることなく、存在の確認を保留する回答でした。機会損失ではありますが、誤情報を出さないという点では安全な対応といえます。
Claude
△ OFFBEATを認識できず
💬 「複数の検索を行ったが確認できなかった」と回答
「最近オープンした小規模な個人教室の
可能性がある」と補足
存在を確認できなかったと正直に回答しました。あわせて新しいサイトが認識されにくい理由を自ら推測する内容でした。
4つのAIの回答を比較する
| AI | OFFBEATを認識 | 情報の正確さ | 情報源 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | ✅ 認識した | △ 一部不正確(営業時間・料金) | Googleマイビジネス |
| Gemini | ❌ 認識できず | ✗ 別の教室・別の人物を創作 | 不明(ハルシネーション) |
| Perplexity | △ 認識できず | 〇 「情報がない」と正直に回答 | なし |
| Claude | △ 認識できず | 〇 「確認できない」と正直に回答 | なし |
4つのAIの中でOFFBEATの存在を認識できたのはChatGPTだけでした。ただし参照していたのは公式サイトではなく、Googleマイビジネスの登録情報でした。Geminiは存在を認識できなかっただけでなく、無関係の教室名と講師名を組み合わせた回答を生成しました。
結果②:一般ワードで聞いた場合
次に「福岡のドラム教室でおすすめを教えてください。」という、固有名詞を使わない一般的な質問を投げかけました。
ChatGPT
❌ OFFBEATの紹介なし
📋 天神・博多エリアの実績ある教室を5件紹介
(MASA DRUM SCHOOL・島村楽器など)
固有名詞で聞いたときにOFFBEATを認識していたにもかかわらず、一般ワードでは登場しませんでした。口コミ数や実績で上回る既存の教室が優先された結果と考えられます。
Gemini
❌ OFFBEATの紹介なし
📋 大手チェーンを中心に紹介
(シアーミュージック・島村楽器・ヤマハなど)
大手チェーンと口コミ実績のある教室を中心に紹介しました。固有名詞で聞いたときにOFFBEATを認識できていなかったため、一般ワードでも登場しない結果でした。
Perplexity
❌ OFFBEATの紹介なし
🗺️ Googleマップと連携した地図表示つきで回答
📋 口コミ実績のある周辺教室を紹介
Googleマップと連携した地図表示とあわせて、口コミ実績のある周辺教室を紹介しました。OFFBEATは登場しませんでした。
Claude
❌ OFFBEATの紹介なし
🗺️ Googleマップと連携した地図表示つきで回答
📋 口コミ評価の高い教室を4件紹介
(MASA DRUM SCHOOL・Tres-Dos音楽教室など)
固有名詞で聞いたときは「存在を確認できない」と回答していたにもかかわらず、一般ワードではGoogleマップ情報から別の教室を地図つきで紹介するという対照的な結果でした。
4つのAIの回答を比較する
| AI | OFFBEATの紹介 | 紹介した教室の傾向 |
|---|---|---|
| ChatGPT | ❌ 紹介なし | 天神・博多エリアの実績ある教室 |
| Gemini | ❌ 紹介なし | 大手チェーンを中心に紹介 |
| Perplexity | ❌ 紹介なし | Googleマップ連携で周辺教室を表示 |
| Claude | ❌ 紹介なし | Googleマップ連携で口コミ上位を表示 |
一般ワードの質問では、4つのAI全てがOFFBEATを紹介しませんでした。「知ってはいるが、おすすめとしては出てこない」という状態です。
実験でわかったこと
今回の実験で見えてきたのは、公開2週間の新しいサイトに対するAIの反応が、大きく3つのパターンに分かれるということです。
パターンA:Googleマイビジネスを参照して答える
該当:ChatGPT
状態:認識できているが、情報源が公式サイトではない
ChatGPTはOFFBEATの存在を認識していましたが、参照していたのは公式サイトではなくGoogleマイビジネスの登録情報でした。公式サイトに記載のない営業時間が回答に含まれていたことが、その証拠です。
Googleマイビジネスと公式サイトの情報が食い違っている場合、AIはどちらかの情報をもとに回答します。サイトオーナーが意図していない情報がユーザーに届くリスクがあります。
Googleマイビジネスと公式サイトの情報を揃える方法については、AIに引用されるサイト、基本設定8項目チェックリストもあわせて確認してください。
パターンB:存在しない情報を創作して答える
該当:Gemini
状態:認識できていないのに、それらしい情報を生成した
Geminiは「オフビート」という言葉から、無関係の別の講師名・別の教室名を結びつけた回答を生成しました。実在する別の教室の情報を「OFFBEATに関連する可能性がある」として紹介するという、事実とは異なる内容でした。
AIが知らない情報を聞かれたとき、「わからない」と答えるのではなく、それらしい情報を作り上げて回答することがあります。これをハルシネーションと呼びます。ユーザーが誤った情報を信じてしまうリスクがあり、3つのパターンの中で最も注意が必要です。
パターンC:正直に「わからない」と答える
該当:Perplexity・Claude
状態:認識できていないことを正直に回答した
PerplexityとClaudeは、存在を確認できなかったことを正直に回答しました。誤った情報を出さないという点では安全ですが、ユーザーにOFFBEATの存在が伝わらないという機会損失は避けられません。
3つのパターンを整理する
| パターン | 該当AI | サイトオーナーへのリスク |
|---|---|---|
| A:Googleマイビジネスを参照 | ChatGPT | △ 情報源によっては不正確な内容が届く |
| B:存在しない情報を創作 | Gemini | ✗ 誤った情報がユーザーに届く |
| C:正直に「わからない」と回答 | Perplexity・Claude | △ 存在が伝わらない機会損失 |
今回の実験期間中、4つのAIの中でOFFBEATを正確に紹介できたAIはゼロでした。公開2週間という短い期間では、AIが正しい情報を持つのは難しい状態でした。
ただし注目すべきは、AIが「知らない」だけでなく「間違えて紹介する」ケースがあったという点です。ユーザーがAIの回答を信じてしまうと、存在しない講師に問い合わせようとしたり、間違った営業時間に合わせて動いたりするリスクがあります。新しいサイトを持つオーナーにとって、AIの回答は「他人事」ではありません。
サイトオーナーが今すぐできること
今回の実験結果をふまえ、新しいサイトを持つオーナーが取れる対策を整理しました。完璧な対策はありませんが、AIに正しく認識してもらうための土台を整えることはできます。
① Googleマイビジネスの情報を公式サイトと揃える
優先度:★★★
難易度:低
理由:ChatGPTはGoogleマイビジネスを参照していた
今回の実験でChatGPTが参照していたのは、Googleマイビジネスの登録情報でした。営業時間・料金・住所などが公式サイトと食い違っている場合、AIはどちらかの情報をもとに回答します。Googleマイビジネスの情報を公式サイトと完全に一致させることが、最初にやるべき対策です。
② 公式サイトに正確な情報を明記する
優先度:★★★
難易度:低
理由:AIは公式サイトのテキストを情報源として参照する
AIは公式サイトのテキストを読んで情報を取得します。住所・料金・営業時間・サービス内容などを公式サイトに明確に記載しておくことで、AIが正しい情報を参照しやすくなります。画像の中にだけ情報を入れている場合、AIには読み取れないことがあるため注意が必要です。
③ 構造化データ(JSON-LD)を設置する
優先度:★★☆
難易度:中
理由:AIが情報を正確に読み取りやすくなる
構造化データとは、サイトの情報を機械が読み取りやすい形式で記述する仕組みです。教室名・住所・料金・営業時間などをJSON-LDという形式で設置しておくと、AIが正確な情報を取得しやすくなります。WordPressの場合はプラグインを使って設置できます。
JSON-LDの具体的な設置方法はJSON-LDの書き方【コピペOK】AIに読まれる構造化データをWordPressに実装するで解説しています。
④ 被リンクと口コミを少しずつ増やす
優先度:★★☆
難易度:高
理由:一般ワードでの紹介には実績が必要
今回の実験で、一般ワードの質問では4つのAI全てがOFFBEATを紹介しませんでした。AIが一般ワードでサイトを紹介するためには、口コミ数・被リンク数・サイトの実績が必要です。Googleマイビジネスへの口コミを増やすことや、地域メディアや関連サイトからのリンクを獲得することが、長期的な対策になります。
⑤ 定期的にgoogleサーチコンソールへ情報を投げる
優先度:★☆☆
難易度:低
理由:AIの認識は時間とともに変化する可能性がある
今回の実験は公開2週間時点のスナップショットです。1ヶ月後・3ヶ月後に同じ質問を繰り返すことで、AIの認識がどう変化するかを追うことができます。当ラボでも引き続き同じ実験を繰り返し、後日レポートとして公開する予定です。
対策まとめ
| 対策 | 優先度 | 難易度 |
|---|---|---|
| Googleマイビジネスを公式サイトと揃える | ★★★ | 低 |
| 公式サイトに正確な情報を明記する | ★★★ | 低 |
| 構造化データ(JSON-LD)を設置する | ★★☆ | 中 |
| 被リンクと口コミを増やす | ★★☆ | 高 |
| 定期的にgoogleサーチコンソールへ情報を投げる | ★☆☆ | 低 |
まとめ
今回の実験で確認できたことを整理します。
実験日 :2026年3月18日
対象サイト:OFFBEAT(offbeat.fukuoka.jp)
公開時期 :2026年2月(実験時点で約2週間)
質問したAI:ChatGPT・Gemini・Perplexity・Claude
公開2週間のサイトに対して、4つのAIの反応は大きく3つに分かれました。正確に紹介できたAIはゼロで、認識できたChatGPTでさえ参照していたのは公式サイトではなくGoogleマイビジネスの情報でした。
AIに「間違って紹介される」リスクは、大企業だけの話ではありません。新しく立ち上げたお店・教室・サービスのサイトほど、AIに認識されていない・または誤った情報で紹介されている可能性があります。
まず確認してほしいのは、Googleマイビジネスと公式サイトの情報が一致しているかどうかです。基礎的なweb上の情報を整えるだけで、AIに誤った情報を参照されるリスクを減らすことができます。
【注釈】本実験は2026年3月18日時点における1教室(OFFBEAT)を対象とした観測結果です。AIの回答は質問のタイミング・表現・バージョンによって異なる場合があります。本記事の結果がすべてのサイト・すべてのAIに当てはまるものではありません。
当ラボでは引き続き同じ質問を繰り返し、AIの認識がどう変化するかを追いかける予定です。続報は後日、別記事として公開します。
AIが新しいサイトをどのタイミングで認識し始めるかは、記事公開からAI引用まで何時間?GoogleとPerplexityを同時計測した【AI実験室 #03】も参考にしてください。
あなたのサイトは、
AIに見えていますか?
URLを入力するだけで30秒。8項目を自動診断し、優先度別の改善プランを提示します。完全無料・登録不要。